平成23年新年交礼会が盛大に開催
北海道印刷関連業協議会
 北海道印刷関連業協議会の平成23年新年交礼会が、1月7日午後5時から札幌市中央区の札幌グランドホテルで、多数の来賓と印刷・関連業者250人が出席して盛大に開催された。

福島副会長
 最初に、体調不良のため欠席した岡部会長に代わり、福島博志副会長(日本グラフィックサービス工業会北海道支部長)が、年頭のあいさつに立ち、多数の来賓と参会者にお礼を述べた後、「印刷業界では、昨年10月に全日本印刷工業組合連合会から2020年の印刷産業をデザインした『産業成長戦略提言2010』が発表された。厳しい予測と希望の持てる将来像がデザインされている。良きあの時への景気回復を夢見つつも、ニューノーマルといわれる時代を真摯に受け止め、新たな時代の企業構築に、この提言をそれぞれが咀嚼し、進取な精神と不断の努力で取り組まれることが肝要である。北海道においては、本年8月、3年振りに網走市で『第29回北海道情報・印刷文化典オホーツク大会』を開催する。同文化典において北海道印刷工業組合設立70周年記念事業を合わせて開催する。全道の印刷産業人が一堂に会し、直面する問題を討議し、経営基盤の安定強化を図り、印刷産業人の親睦を深め、連携をより強固にし、新しい時代の印刷産業を広く社会にアピールする絶好の機会であるので、是非多くの方々の参加いただきたい。今年は、東京ではIGAS2011が開催されるが、それに先立ち9月1日から3日までアクセスサッポロを会場に、第19回を迎える『2011北海道情報・印刷産業展』が開催される。時代も、お客様のニーズも、技術も大きく変わっている昨今、道内唯一のこの展示会に寄せられる期待は年々高まっている。今年は兎年であるので『兎の上り坂』という言葉を信じ、印刷産業人が一致団結し、大いにコラボレーションを発揮し、この厳しいといわれる1年を乗り切っていこう」と述べた。
大嶋中央会専務理事
 次に、乾杯に移り、東廣北海道中小企業団体中央会会長(代理:大嶋政實専務理事)が、「国、道、札幌市において、私ども中小企業に対する支援策をいろいろと講じてもらっているが、一番大事なのは私ども中小企業自らが一生懸命やることだと思う。企業人としての気概、企業家精神を如何に発揮するか、ここに掛かっているのではないかと考えている。私ども中央会も連携組織という役割を十分に果たして参りたいと思う」と述べ、乾杯をして、開宴した。
柚原経済局長
 来賓祝辞では、柚原一夫経済産業省北海道経済産業局長が、「印刷関係の統計や現状について少し資料を拝見した。残念なことであるが売上高が年々減少傾向になっている。日本経済全体として人口が減少してきていることもあるし、メディアが非常に多様化してきているということもあるので、やや仕方がない面もあるかと思う。社会全体では電子媒体はインターネットを含めていろいろなメディアが増えてきている。印刷関連業界はサービスプロバイダーを目指していくべきだということを業界の成長戦略の提言でまとめていると聞いている。印刷物を作るというハードの周辺にいろいろな付加価値の高い分野があるのではないか。皆さんの持っている技術やノウハウを活用して開拓していくという方向を目指していると聞いている。印刷関連業の皆さんは、私達の生活を支え、企業活動にも密接で、なくてはならない業界、産業分野である。さらに情報産業としての側面を持っている。今後の社会、時代の変化、行く末を見つめて、皆さんの持っている技術、ノウハウを大いに活用してさらなる発展を進めていってもらいたいと大いに期待している」と述べた。

高橋北海道知事
 高橋はるみ北海道知事は、「印刷業界の皆さんを取り巻く環境は大変厳しいと思う。情報化等の流れの中で多様な情報を提供するものが出てきている。そういった中で新たなビジネスの展開をどのように模索していくのか皆さんの努力・苦労を私どもも共有させていただく。昨年を振り返ると大変厳しいことも、また明るいこともあったが、何といっても鈴木章先生がノーベル化学賞を受賞したことは私どもに夢と希望をいただいたと思っている。北海道としての特別賞という道民総意の想いを先生にお伝えできればと今準備を進めている。こういった道産子魂を発揮された大先生も居られる中で、我々道民一人ひとりが気持ちを、今年は兎年であるので前へ前へとピョンピョンと進めていただき、明日の北海道を切り拓いていかなければならないのではないかと思っている。皆さんも目の前は大変厳しいことも多いと思うが、共に知恵を出し合いながら乗り越え、明日の北海道、明日の印刷業界の飛躍のためにたゆまぬ努力を続けていかなければならないと思っている」と述べた。



上田札幌市長



 上田文雄札幌市長は、「印刷業界は本当に厳しい時代ではあるが、町全体が元気にならなければ、どの業界も1つだけ良いということはありえない。私は札幌という町は、どの業界が良くなるということでなく全体が良くなることを願うためにはどうしたらいいか。それは札幌の町が本当に魅力的な町であり続けるということが最も大事なことである。それを札幌ブランドというのか北海道ブランドというのか様々な意味合いがある。しかし、この魅力を失った時に札幌の企業、札幌の産業は萎んで行く。特にこれからの社会、人口は減っていく。少子高齢社会、しかも産業構造がそれになかなか付いていけないという状況の中でどうやって産業の付加価値を高めていくかということを考える時に、印刷業界の皆さんは、IT等の関係でコンテンツ産業の方に伸ばしていくことになる。札幌産の様々な技術、工夫をどんどん外に出ていくことを狙っていかなければならない。札幌の景気が良くなる、皆さんの気持ちが高揚していく、そのことによって必ず仕事は多くなると確信している。皆さんと一緒にいろいろと研究していきながら北海道とも連携を取って、北海道全体が活力を持つように札幌の役割をしっかり踏まえてこれからも頑張っていきたい」と述べた。
池田副会長
 新年の挨拶と歓談が続くなか、池田哲副会長(北海道洋紙同業会会長)が、「印刷業界のこれから生き延びる道は何かというと、CSR(企業の社会的責任)と感性を活かした新しい提案をする営業展開を行うことが第一である。社員一人ひとりが自覚して知恵を出し合って難局を乗り切る必要がある。札幌市においても地産地消の精神で北海道で印刷される紙は北海道の紙を使っていただきたい。北海道や札幌で使われる印刷物は是非とも地元の印刷業者に発注するようにお願いしたいというのが私の願いである」と述べ、一本で締め、平成23年新年交礼会を終了した。

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