平成21年新年交礼会が盛大に開催
北海道印刷関連業協議会
 北海道印刷関連業協議会の平成21年新年交礼会が、1月9日午後5時から札幌市中央区の札幌グランドホテルで、多数の来賓と印刷・関連業者300余人が出席して盛大に開催された。

 最初に、岡部康彦協議会会長が年頭のあいさつに立ち、多数の来賓と参会者にお礼を述べた後、「北海道の印刷業界を取り巻く環境は依然として景気回復が見られないところに昨年9月の米国発のサブプライム問題に端を発した金融危機が加わり、道内経済は疲弊し印刷需要も一層減退した年であった。そんな中、3年振りに昨年8月、第28回北海道情報・印刷文化典十勝大会を開催した。多くの組合員と関連業界の皆様方のご協力により成功裡に終了し大きな成果を収めることができた。改めて業界組織の強さと協調性の豊かさを確認することのできた素晴らしい大会であった。また、昨年は諸材料の値上り、特に印刷用紙は15%の値上げが行われた。我々は原材料に係るコストアップ分を印刷製品価格に転嫁すべくユーザーに理解を求める運動に精力的にまわった1年であった。新年を迎え、新聞等に主要企業の経営トップ30人に景気アンケートを実施した結果が発表された。2009年には景気は上向くことはない、2010年の後半から少しずつ上昇するとの意見が30人中28人であった。今年は試練の年、我慢の年、一文字で表すならば忍耐の『忍』だそうだ。しかし、私どもは我慢ばかりしているわけにはいかない。印刷を中心とした周辺領域への市場拡大、顧客への課題解決を提供する業態変革実践プラン・ワンストップサービスを実行し、収益拡大に結び付けて行こうではないか。『商いは牛の涎』という諺がある。細く長く粘り強い商売をしようとの意味である。是非、『商いは牛の涎』の気持ちでこの1年を乗り切っていただきたい」と述べた。
 来賓祝辞では、山本雅史北海道経済産業局長が、「昨年7月の北海道情報・印刷文化典十勝大会で、元気一杯の業界の方々だという強いインプレッションを受けた。非常に元気であった皆様がその後のリーマンブラザーズ破綻等に始まった今の不景気で元気を失なっていないか心配したが、今日、元気な姿を見て安心した。世界中の景気が悪い、特に北海道の経済は厳しい。経済産業局としては、中小企業の皆さんが資金繰に行き詰まることのないよう緊急保証制度を整備し20兆円まで広げている。また下請いじめが行われないよう代金法の運用体制を強化している。当面の厳しいことを乗り越え、次なる春に向かって新しいアクションを起こしてもらわなければならない。こういう時こそ、新しいビジネスの発見、新しい付加価値、新しい商品、新しいサービスの提供をして、より効率的なビジネスのやり方を模索してチャンスに繋げて行ってほしい。私どもも皆様の業界の役に立てるよう精一杯支援していく。皆さんの業界の元気を持ってネットワークを組んで新しい年を良い年にしてほしい」と述べた。
 次に、高橋はるみ北海道知事が、「昨年、北海道で洞爺湖サミットが行われ、私たちのふるさと北海道の食・自然環境・観光の素晴らしさが世界にアピールされた年であった。しかし、その直後の原油高、米国発の金融不安などをスタートに、数ヵ月の間に北海道が世界同時不況に巻き込まれてしまった。北海道だけでなく他県も厳しいが基盤の弱い北海道が一番苦労していると懸念している。その中で、印刷業関連の皆様は生産コストの上昇、設備投資の問題、情報社会で質的に激変している中での業界の対質強化などいろいろな課題にそれぞれの立場で苦労し対応している努力に敬意を表する。今年がこれからどういう形で展開するのか見えない部分がある。行政で30年仕事をしているが景気は良い時もあれば悪い時もあった。このような流れの中で今、底を這っている。あるいはさらにもう少し底まで行くかもしれない。できれば年度後半には良い方向に向かうように持って行きたいと思う。道は年末に雇用経済対策本部を立ち上げて対応している。各自治体も対応している。行政も頑張るので民間の方々もしっかりと踏ん張って、何としても年後半には良い方向に行きたいと思っている。今年は丑年である。北海道はたくさん牛がいる。まるごと北海道で畜産、酪農王国である。北海道の牛を世界にアピールして行きたい。牛の頑張りで北海道の経済を今年1年皆様方の力を頂戴しながら頑張っていきたい」と述べた。
 つづいて、上田文雄札幌市長(代理:中田博幸副市長)が、「昨年、環境がメーンに北海道で洞爺湖サミットが開催された。北印工組札幌支部にはゴミ分別シールの街頭配付で環境問題の実践に協力を頂いている。皆様方の環境保全の啓蒙活動に敬意を表する。環境問題を考える上で避けて通れないのがゴミの問題であり、市民の皆様から意見を頂き検討を重ねた結果、今年7月から家庭ゴミを有料化することを決定した。自分達の街の問題は自分達で解決していこうという街づくりの実践である。将来の世代に豊かな環境を残すため、北海道の素晴らしい環境を残すため市民・企業の皆様、行政が一丸となった取り組みを今後も進めて行きたい。印刷関連業界の皆様は、世界的規模での経営環境の変化に直面していると思う。印刷業関連は札幌市の基幹産業として全国的にも高い水準の技術力を有している。また札幌の産業を支える機関としても活躍いただいている。毎年開催されている北海道情報・印刷産業展は印刷関連業界の方のみならず、ソフトウェア、コンテンツ産業などさまざまな分野から注目を集めており、札幌市の産業の発展に大きく寄与しているイベントに成長してる。厳しい時ではあるが企業の発展に取り組んで頂きたい。マスコミ、メディアに毎日のように経済の厳しさが報道され消費マインドが萎縮してしまう。厳しい環境を乗り越えるためには心の中で景気を盛り上げることからスタートしなければならない。厳しい時こそ連携を保ちながら今年は一歩前進の年にしてほしい」と述べた。
 乾杯に移り、東廣北海道中小企業団体中央会会長(代理:大滝秀夫企画情報部長)は、「経営者・幹部社員の皆様が一番気をつけなければならないのが自身の健康管理である。最近、うちの社長どうも疲れているようだ、精彩に欠けている等々と社員の皆様方は思った以上にトップの方を見ている。昨今の厳しい環境の中で、社員の皆様方もいろいろな面で危機意識を持たれるのは当然と思うが、社長さんの健康に不安を抱くということは別次元の話である。この1年健康に留意され厳しいながらも頑張っていただければと思う」と述べ、乾杯し開宴した。
 歓談と名刺交換の続くなか、中締めで下國民雄協議副会長が、「今、米国で起きている自動車業界、金融業界の会社が共倒れしているのは規制なき自由競争の行き着くところでないかと思う。印刷業界も規制なき競争をやってきた業種といわれている。北海道の印刷業界は共に生き残っていくために印刷業界の革新と進歩のための競争をしながら、業界が発展し、業界の認知が高まるような協調をして行く新しい枠組みを作っていく必要がある。暫く厳しい状況が続き、新しい経済システムができるまでにはもう少し時間がかかるが、その後には素晴らしい時代が来ると言う経済学者もいる。そのような素晴らしい時代が一刻も早く来ることを願い頑張っていかなければならないと思っている」と述べ、三本締めで締め、平成21年新年交礼会を終了した。

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