「70歳まで働ける企業」
創出事業の実施に当たって

 今年度、北海道労働局から委託を受け、北海道印刷工業組合が実施することとなりました「70歳まで働ける企業」創出事業のアドバイザーとして、お手伝いをさせて戴くことになりました社会保険労務士の小松勢津子です。
 この事業は、少子・高齢化が急速に進展するなか、今年度から大勢の「団塊の世代」が60歳台に達し定年を迎えるため、労働力人口の減少が急激に進行する現状を企業の側からしっかりと受け止め、高年齢者が意欲と能力に応じて年齢に係わりなく社会の支え手として活躍できる職場環境づくりを目指す事業です。
 組合員企業及び従業員の理解を高め、高年齢者に適した働きやすい職場環境づくりを目指すために、組合員企業に対して、アンケート調査、個別相談、また即活用できる内容のセミナーの開催や様々な情報提供などを実施することが、この事業の具体的な内容です。
 そこで、この事業を円滑に推進していくに当たり、平成18年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法について、簡単にご説明させていただきます。
 この改正高年齢者雇用安定法は、例外なくすべての企業が対象となり、65歳未満の定年の定めをしている企業に対して、段階的に65歳まで何らかの形で働くことができるようにする“雇用確保措置”の導入を義務づけています。これは、次のいずれかの措置を導入することをいいます。
(1) 「定年の引上げ」
(2) 「継続雇用制度の導入」(勤務延長制度又は再雇用制度)
(3) 「定年の定めの廃止」
 この中で、多くの企業が (2) の「継続雇用制度」を導入しています。
 この継続雇用制度は、原則、希望者全員を対象とするように求められていますが、労使協定等によって継続雇用の対象者に係る基準を定めて、該当者を選別することもできます。そのため広く導入が進んだものと思われます。
 「70歳まで働ける企業」創出事業では、これらを土台として「70歳まで働ける企業」の職場環境づくりを目指しているのです。そのためには、情報の提供等を促し、より一層の普及を図っていかなければなりません。
 そこで、「北海道の印刷」に、今月号から来年3月号まで、この事業に関連する身近な労務管理等について掲載し、普及・促進を図っていくことになりました。できる限り読みやすいよう図などを使い工夫していきたいと思っています。
 
次回以降に掲載する予定のテーマ
7月号
…「知っておきたい労働基準法」
8月号
…「就業規則等の見直し」
9月号
…「雇用確保措置導入・運用に伴う労使トラブル防止等」
10月号
…「年金を受給しながら働く場合の注意点等」
11月号
…「雇用確保措置導入に伴う賃金設計等」
12月号
…「雇用確保措置導入に向けての諸規程整備」
1月号
…「高年齢者の雇用と助成金等」
2月号
…「知っておきたい高年齢者の公的保険等」
3月号
…「事業終了報告等」
(※内容変更する場合があります)
 その他この事業に対して、ご意見ご要望をいただきながら、労務管理上の日頃の悩みなど様々なリクエストに応じられるよう努めて参ります。是非、この機会に相談員としてもご活用下さい。どうぞよろしくお願い致します。
小松社会保険労務士事務所 
    社会保険労務士 小松勢津子

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