第12回北海道青年印刷人フォーラムを開催

 北海道印刷工業組合青年部委員会が主催する「第12回北海道青年印刷人フォーラム」が、9月22日午後5時30分から札幌市産業振興センターで111名が参加して、札幌支部教育・労務委員会との共催で開催されました。
 このフォーラムは、NPO法人北海道カラーユニバーサルデザイン機構と札幌青年印刷人の会に後援していただきました。
 昨今、全日本印刷工業組合連合会を中心に「業態変革推進プラン2008計画」が進められている中、今回で12回目を迎えた「北海道青年印刷人フォーラム」は、私たち印刷業が本業を通じて何か社会に貢献したり、社会全体の利益になるような事は出来ないか?という観点のもとで開催いたしました。
 社会貢献といってもさまざまですが、私達の業界は毎日「色」を使用し不可価値を付け製品を創出しています。その「色」に的を絞り「カラーユニバーサルデザイン」をテーマとして、全国青年印刷人協議会では協議・検討を進め、普及・啓蒙活動をしていくことを目標としております。
 色弱者(色に不自由を感じている人)は日本全体で320万人といわれ、男性では20人に1人、女性では500人に1人の割合でいると言われております。高齢社会の日本において、「バリアフリー」という言葉は市民権を得、ユニバーサルデザインの概念は公共施設を中心にハード面ではかなり採用されてきました。しかし、「色のバリアフリー」についてはまだまだ見過ごされています。年齢とともに色覚の機能は低下し、「文字」や「色」の判読に不自由を感じる高齢の方を加えるとその数は増加の一途をたどります。私達が、印刷技術の専門性を生かした「色のユニバーサルデザイン」に取り組むことは、高齢時代のニーズに対応するとともに社会的にも意義ある取組みです。
 今回のフォーラムは2部構成で、第1部は、既にこの取り組みをされ活動されているNPO法人北海道カラーユニバーサルデザイン機構副理事長、(有)ソノーク代表取締役の栗田正樹氏より「色弱者の立場から」と題して講演をいただきました。自身が色弱とあって、その立場から講演いただき、とても解りやすい講演でした。
 第2部は、我々は実際にどのように色のユニバーサルデザインに取り組んだらいいのかという観点からツールについて、東洋インキ製造(株)カスタマー・ネットワーク本部マーケティング部の高田知之主任から「色覚UD支援ツール」の紹介をいただきました。具体的な事例も含め講演をいただき、またこのツールはフリーのソフトウェアであり、東洋インキ製造(株)のホームページからダウンロードできるとの紹介をいただき、設備投資することなくスタッフのスキルアップだけでこの取組みができるという素晴らしい提案でした。
 価格競争に直面し厳しい経営を余儀なくされている現状ですが、環境の変化、市場の変化に柔軟に対応し新しくソリューションビジネスへの道を開き、新しい印刷産業のあり方を創造して行くことが重要であります。今回のフォーラムが今後皆様のビジネス展開のヒントや営業戦略に役立つものと確信しております。
(北海道印刷工業組合青年部委員長 岸  昌洋)

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