印刷燦燦
ホッキ貝

常任理事・苫小牧支部長 高橋  正寛
あさひ印刷株式会社代表取締役社長

 ここ数年、苫小牧は全市を挙げて苫小牧産ホッキ貝のPRに取り組んでいる。
 苫小牧市のホッキ貝漁獲量が全国の約10%(850t)と水揚げ日本一を誇ることに伴い、ホッキ貝を苫小牧市の新しいブランドとして確立しようとの考えである。
 ホッキ貝は決して珍しい貝ではないが、苫小牧市は平成14年7月ホッキ貝を市の貝に制定し、ホッキー君なるイメージマスコットとホッキ音頭を製作、毎年11月にはホッキ貝をメイン食材とした料理と獲れたての貝を即売するホッキフェスタのイベントを開催するほど熱の入れようである。
 苫小牧市は古くから工業で繁栄してきた都市であり、漁業のイメージは薄い。
 私の頭の中にあった苫小牧は、「紙の町・スケートの町・勇払原野にしか生息しないハスカップの木」であった。
 でも、新しい経済と活況をもたらした世界的に珍しい人口港(内陸掘込み港)は、漁業の形態を変え、数十年かけてホッキ漁を苫小牧の基幹漁業へと導き、また、多くの企業を誘致した東部地域の開発は、いつしか紙の町のイメージを払拭し、勇払原野固有のハスカップの木も姿を消していった。
 今、苫小牧漁組は大きさ9cm以上のホッキ貝の漁獲と一隻当たりの水揚げ量制限を取り決め、安定した漁獲と資源管理の徹底に努めている。「良質な貝」が売り物である。
 苫小牧観光協会では希望者にホッキマップの無料配布を行っており、苫小牧市内のホッキを使った料理の店を紹介、各店の工夫を凝らした創作料理が堪能できる。
 また、苫小牧市農業水産課のホームページではホッキ料理のレシピも紹介しており、是非、お立ち寄り頂けたら幸いである。
 近年、苫小牧市は駒大苫小牧高校野球部のおかげで全国的に知られる街となった。
 近い将来、良質で美味しい苫小牧産ホッキ貝が地域ブランドとしての地位を確立し、全国の食卓を飾れるよう市民として応援していきたい。

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