平成16年度全印工連全国大会盛大に開催
「業態変革推進プラン-全印工連2008計画」キックオフ
   瀬戸の都・香川県で27年ぶりの開催となった「2004全日本印刷文化典香川大会」の併催行事となる「平成16年度全印工連全国大会」が10月16日午前9時から、高松市内のサンポートホール高松で開催され、他に類を見ない強固な組織構築と将来への発展の基礎を確立した「2005計画」の推進から、自らの意志で自らを変える「2008計画」へ事業の柱がバトンタッチされた。  

 全体会議では、最初に、歓迎のあいさつで開催工組を代表して牟禮昌忠香川県工組理事長が「印刷業界を取り巻く環境はデジタル化・ユビキタス社会・ナノテクノロジー等の言葉に代表されるように想像を絶するテンポで変革を続けている。今までは、お客様のニーズにいかに応えるかの努力をすれば役割を果たせたが、激変の時代の中ではお客様自身が自分のニーズが何であるかを掴みかねている。そのような環境下にあってわれわれの五感を駆使してお客様が何を望んでいるのかを把握することからスタートしなければならない。その上でお客様に合ったソリューションを提示することが必要となる」と述べた。
 この後、浅野健全印工連会長から「業態変革推進プラン-全印工連2008計画」のキックオフに向けてコンセプト並びにグランドデザインが発表された。
 この中で浅野会長は他の業界の例に洩れず、印刷業界が長年にわたって護送船団方式によって運営されてきたが、グローバル化とIT化の影響による護送船団方式の崩壊という流れを受け、これまでに全印工連では「2005計画」を策定し、事業構造の変革を目指して長期経営計画の策定と共創ネットワークの構築に努力してきたことをベースに「2005計画」をより掘り下げた内容である「業態変革推進プラン-全印工連2008計画」が完成したことを報告した。
 その上で浅野会長は「業態変革」とは、自らの意志で自分を変えることであるとの再確認をするとともに、その必要性などについて出席者に対して説明した。
 浅野会長は「業態変革は自社のビジネスの有りようを自分で変えることである。われわれは、今まで変化には対応してきたが、果たしてこの対応は自分たちの意志であったのか。主役・競争相手・スピードが変わる中で、お客様が抱いている不満に対して一つひとつを客観的に認めていくことが大切になってくる。業態変革を決して難しく考えることなく、かと言って誰にでもできると簡単に捉えていただいても困る。少なくとも自分がどうなりたいかという思いを明確にし、それを実現するために人に負けない執念を燃やして持続することが必要となる」と出席者に訴えた。
 引き続き、矢部一憲業態変革推進企画室委員長(全印工連常務理事)から「業態変革推進プラン-全印工連2008計画」の概要説明として、業態変革の方向性、業態変革ミニマム、具現化へのロードマップなどが紹介された。
 この中で、矢部委員長は「変化への対応を図るためには受動的ではなく、能動的でなければならない。同時に、原稿ありきの営業ではなく、無の状態から造り上げることができる企業体質を構築する必要性がある。ナンバーワンからオンリーワンを目指すこととなるが、いずれにしても、今回の変革は自己責任でやらなければならない」と述べた。
 全体会議は、最後に、業態変革推進企画室の木野瀬吉孝委員(愛知県工組)が「男気を持って変革に挑戦する時がきた。これまで、われわれは印刷物を造って社会に貢献してきたが、その印刷物が本当にお客様の利益につながったのかを考え直さなければならない。今後は印刷物が有益でなければ、他の媒体を勧める勇気を持つことも必要になる。情報の伝達者としての誇りを持って潔よく他の情報媒体を勧めながら、それらを私たちの仕事にしていくという業態の変革が必要とされている」と全国から集まった出席者に訴えた。
 この後、浅野会長をはじめ、業態変革推進企画室のメンバーが壇上に勢揃いし、木野瀬委員の「『業態変革推進プラン-全印工連2008計画』キックオフ、いくぞ」という掛け声に対して、参加者全員が「おーっ」と呼応し、キックオフが宣言された。
 全体会議終了後には、経営革新・マーケティング、教育・労務、環境、組織、共済事業の5つの分科会に分かれ、直面する課題についてそれぞれ協議をした。

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