2004全日本印刷文化典香川大会盛大に開催
   全日本印刷工業組合連合会、四国地区印刷協議会、香川県印刷工業組合の主催による「2004全日本印刷文化典香川大会」は、「時代(とき)を彩る印刷文化、空海生誕の地から未来へ」をキャッチフレーズに、10月15、16日の2日間にわたり香川県高松市で開催され、「業態変革推進プラン-全印工連2008計画」のキックオフはじめ諸行事を実施した。  

 15日午後3時からサンポートホール高松で開催された記念式典は、各都道府県工組役員・組合員はじめ関係諸団体、香川県、高松市などからも多数の来賓を迎えて開催された。小松義彦実行委員会総務委員長(香川工組副理事長)の開会のことばで幕を開け、国歌斉唱に続いて奥田章雄実行委員会委員・香川工組青年部会長の先導で「印刷産業人綱領」を唱和した。
 開催工組を代表して牟禮昌忠実行委員会会長(香川工組理事長)があいさつし、全国からの参集に歓迎の意を表した後、27年前に香川印刷文化典がこの高松市で開催され、『活字よさようなら、ホットからコールドへ』のスローガンのもと、まさに業界挙げての大変革の真っただ中にあったことを思い出す。時は移り私たちを取り巻く環境は、デジタル化、ユビキタス社会等々想像をはるかに超える速さで変革を続けている。そして当時の最先端技術であった『写植』という言葉すら知らない人が増えている。しかし、科学・技術や経済の発展の一方で、『心』の問題が取り残されがちなのも事実である。まず我々自身がこの問題に真っ向から取り組む必要があるのではないだろうか。この四国は1,200年ほど前、空海という異才を生んだ地である。空海は、今我々が課題としているテクノロジーと心を両立させた人物であると私は解釈している。その空海の時代からの伝統であるお遍路さんへの接待の心と自然に恵まれたこの地で、明日(16日)、『業態変革推進プラン-全印工連2008計画』がキックオフされるということに大きな意義を感ずるとともに、その重要さに身の引き締まる思いである。本文化典のキャッチフレーズを合言葉に、我々にとり歴史に残る意義深い大会になることを祈る次第である」と述べた。
 続いて浅野健全印工連会長が式辞に立ち、「飛行機が高松空港に着陸体制を取ると、眼下に多くの溜池を見ることが出来た。これは空海の指導により作られたものという。どのような時代でも、先見性に富み現状を打破する行動を、勇気を持って実践する素晴らしい人物が存在する。空海もまさにその一人。急激に変わる環境の中で自らのあり方を変革する『業態変革推進プラン-全印工連2008計画』を、この空海誕生の地香川県から全国の仲間に発信できることの喜びでいっぱいである。未知の海に漕ぎ出すことは大変勇気がいる。しかし、多くの勇者(先輩)のおかげで今日の私たちがあるのではないか。全国の皆さんのご理解で高松市で文化典を開催できたことを深く感謝申し上げる。そして何よりも香川工組はじめ四国の皆さんに心から感謝申し上げる。台風の近づいていた一週間前に『プリントビジネス展』が開催され大成功だった。新しい時代のコンセプトによる、まさに自分たちのためのフェアだった。仙台を皮切りにこの新しいスタイルの展示会は、この高松市で進化を遂げた。新しい時代が始まっているとの思いを強くした。私は、四国の皆さんから勇気をいただいた。そして、『数は力』なりではなく、『誠実さと熱い思いこそ力である』ということを学ばせていただいた。全国の皆さんにはこの文化典そして明日の全国大会で大きな土産を持ち返っていただきたい。重ねて四国の皆さんに厚くお礼申し上げる」と述べた。
 式典は続いて各界からの来賓を紹介、代表して中川昭一経済産業大臣(友田正敏四国経済産業局地域経済部長代読)、眞鍋武紀香川県知事、増田昌三高松市長の三氏からの祝辞を受けた。
続いて平成16年度の表彰に移り、中小印刷業最高の栄である「印刷産業発達功労者顕彰」の中村守利全印工連顧問・理事をはじめ、「印刷功労賞」50氏(北海道から4人が受賞)、色覚バリアフリーの研究・啓発活動により「研究開発功労者顕彰」受賞の東京都印刷工業組合墨田支部、そして30年以上組合員事業所に勤続の「優良従業員表彰」の59氏(北海道からは1人が受賞)に浅野会長から顕彰状および表彰状が送られた。また「共済事業拡大キャンペーン」で業績をあげた工組表彰も併せて行われ、「優秀工組」として石川、新潟、群馬、青森、沖縄の5工組、「特別表彰」として北海道、鹿児島、宮城の3工組が表彰を受けた。
 受賞者を代表して中村守利氏は「20世紀から21世紀という変革の時に会長を務めさせていただいたが、印象深いのは2005計画という新しい方針を打ち出し、皆さんのお力でこれを進めさせていただいたことである。今日、表彰いただいて思ったことは、この賞は私一人のものではない。全国の仲間さらには先輩各氏、そして関連業界のご支援、官庁のご指導等によるものであり、『代表・中村守利』として受けたものであるので、しっかりお預かりしていきたい」と謝辞を述べた。
 続いて式典は祝電披露の後、守實勤実行委員会広報委員長(香川工組副理事長)により高らかに「印刷文化典宣言」を行い、盛大な拍手でこれを採択した。
 全議事終了後、次期印刷文化典開催地である新潟工組役員が登壇、感動の心をつなぐ新技術-2005全日本印刷文化典新潟大会」と記した横断幕を掲げ、堀一理事長が多くの参加を要請した。
 最後に、稲毛邦浩実行委員会式典委員長(香川工組専務理事)の閉会のことばで記念式典の幕を閉じた。

印刷文化典宣言

 時代は今、大きな転換期に直面し、我々印刷産業もまたその渦中にある。
 変革の波は社会、経済、生活のあらゆる面に及び、中小印刷業界もまた、急進するIT、メディア媒体の多様化、企業間競争の激化など、かつてない厳しい経営環境下にあり、新たな印刷のあり様が求められている。
 今こそ我々は、先達者の努力で築き上げ受け継がれてきた、時代を彩る印刷文化を、次代に継承発展させるべく、機動性、柔軟性、そして創造性を発揮して、変化から変革へと自らの歩みをすすめていかなければならない。
 我々は空海生誕の地、ここ四国から、業態変革をスタートさせ、新たな環境に勇気を持って積極果敢に挑戦し、基盤確立と業域拡大を期して、未来へ向かって前進することを誓うものである。

平成16年10月15日
2004全日本印刷文化典香川大会


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