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「北京旅行」

常任理事・函館支部長
辻  憲一
辻商事株式会社代表取締役社長

  昨年8月のある朝、なんの気なしに新聞の広告欄に目をやると千歳発着3泊4日3食付豪華ホテルの北京飯店に泊って69,800円。こんな料金で北京に行けるの?半信半疑ながら早速申し込むことに。「これ申し込んでおいてくれ」、「誰といくの?」、「二人で行くんだよ」。家内の顔にふっと嬉しさが見えた様な気がした。
 旅行雑誌を買い情報を仕入れる。そうだ北京の紫禁城といえばラストエンペラーだ。近所のビデオショップより借りて見直した。西太后から最後の皇帝愛親覚羅溥儀の物語であったが紫禁城のレイアウトを目に焼付けておいた。
 11月16日早朝、汽車で函館を出発、午後1時30分発で中国の瀋陽へ、夕方6時30分ころに北京空港着、食事後ホテル着。2日目は早朝7時に出発。ラッシュアワーにぶつかると時間が読めないという。順調に約 1時間程で万里の長城の見学場所の八達嶺に到着。長城は東西6,000km。始皇帝が敵の侵略を防ぐ為に造ったとされているが良くこんな巨大な物を造ったなと感心しきり。ほんの一部200m位の女坂を登ってみる。足元の石は擂り減ってどれ位の人が歩いたのだろう。急勾配の所なら雨や雪が降ったなら歩行困難だ。息切れと汗をかきながら城閣へなんとか辿り着く。遠くを眺めながら中国人の偉大さを知る。その後、皇帝13人の墓の集まった明の十三陵へ。その内の一つを見学。地下30mにある柩の納まった所へ降りて行くと壁にシミが見え、それは竜の落子、三蔵法師と馬、観音様が見えた。来年は良い年になる様な気がした。3日目はいよいよい待望の天安門と紫禁城の見学。まず天安門広場へ。100万人を収容できるという。足元の石一枚に2人づつ合計50万枚か。記念に広場でタバコを一服、写真に収める。いよいよ紫禁城へ。ラストエンペラーを思い出しながら、ここはあのシーンだ、このシーンだと思い出しながら約3時間掛けて見る。なんと素晴らしい所なんだ。
 あっという間の3泊4日。ホテル、食事、値段に満足。この次はゆっくり時間をとって紫禁城だけを見てみたい。家庭でなかなか見られない嬉しそうな家内と一緒に。北京はオリンピックを控え素晴らしい町並が出現しているが、古い町並を見てみたい。
 中国は今旅行ブームらしい。特に北京への旅行が夢だそうだ。今は極一部の人達だけだと思うが、たとえば日本の人口の1億の人が旅行したらどれ位の経済効果があるのだろう。中国は潜在的には莫大な経済発展の可能性を秘めた国だなと思い知らされた旅であった。