経営者研修会開催
  北海道印刷工業組合と株式会社サクマの共催による経営者研修会が、11月26日午後1時30分から札幌市中央区の札幌プリンスホテルで、経済産業省商務情報政築局文化情報関連産業課課長補佐の片岡宏一郎氏を講師に招き、「印刷産業とIT・知的財産戦略について」をテーマに100余が参加して開催された。  
 研修会で、片岡講師は、印刷業の現状として出荷額は約8兆円で全製造業24業種中12番目、従業員19人以下の事業所が89%を占め99.7%の事業所が中小企業、関東・中部・関西圏で全出荷額8割以上を占めている都市型産業であるとし、書籍離れやインターネット等の新たな媒体の伸長、高性能OA機器の普及による内製化や異業種参入により印刷市場は成熟化している。ITの進展により印刷前工程のデジタル化が進展し対応できる企業とできない企業で格差が生じているとし、印刷業界のIT化は、印刷工程のデジタル化、流通経路のネットワーク化、デジタルメディアを活用したビジネスの3点に集約でき、電子媒体の普及により紙媒体のシェアが低下する一方でデジタルコンテンツビジネスの拡大が期待できると予測している。
 また、印刷産業の課題としてITの活用、知的財産の活用を定義し、印刷工程のデジタル化ではComputer To Plate、Computer To Press、標準フォーマットの制定、流通経路のネットワーク化としてSupply Chain Management(資材調査、生産管理、在庫管理等の最適化)、EC(インターネットによる印刷物受発注)、コンテンツ関連ビジネスへの参入としてコンテンツの制作・加工、コンテンツの流通管理、ソフトウェアの開発について、国のIT戦略を交え説明した。
 さらに、電子タグ(ICタグ)の普及に向けた日本の戦略について、出版業界における無線タグ実証実験の概要や日本における電子タグの実用化事例を紹介し説明した。