印刷燦燦
『一箱130万円』

常任理事・北空知支部長
松本 佳巳
松本印刷株式会社代表取締役社長

 何回かに分かれて固めて降った大雪のせいで、除雪が追いつかず、市内のあちらこちらで道路工事並みの片側交互通行となっているところでありますが、渋滞が起こるだけの交通量もなく、少々寂しい感じもしております。
 さて、道内では昨年も交通事故が多発し、尊い生命が奪われておりますが、一昨年の春に赴任してこられた、ある街のある警察署の交通課長さんがおられました。この方は職務に忠実?熱心?な為、はたまた交通法規の遵守に生きがいを見出しているのかは解りませんが、違法駐車の取り締まりに力を入れ、生き残りをかけて必死に歳末商戦に取り組んでいる商店街の停車にまで口を出し、雰囲気作りに欠かせないのぼり旗まで、通行障害になると言って撤去させる始末。交通課長さんの言っていること、やっていることは、確かに法の遵守には違いない。しかし、病院の改築の為、駐車場が狭隘になり、駐車禁止になっていない病院周辺の市道まで取り締まるのは如何なものでしょうか。赴任してこられる前は、年間で2・3件しかなかった死亡交通事故が、昨年は8件と増えたのは、何が原因なのかは解りません。駐車禁止を取り締まるのも重要なのかもしれませんが、限られた警察官と警察車両を使って、交通量の多い国道のパトロールも大事ではないかと思いますし、地域事情を考慮に入れた方策もあると思います。
 また、幼い姉妹の命を奪った、高速道路での酒酔い運転のトラックによる追突事故が契機となって行われた、道路交通法の改正によって、飲酒運転の罰則が強化され、運転者のみならず、同乗者も処罰されることになりました。「一箱130万円」とは良く言ったもので、テレビCMのコピーでもありません。一箱とは、車1台ということで、130万円とは、運転者の反則金が40万円、飲酒運転を承知で同乗した者も30万円。運転者以外に3人同乗で90万円、計130万円ということなのであります。これはゴルフ場から帰る乗用車が、ゴルフ場から出てすぐのところで待ち受けていた警察官に停められ、有難く受けさせられた罰金の値段だそうです。知人のゴルフ場レストランの経営者は、交通法規改正後、ビールでの打ち上げが激減したと嘆いていました。えっ?じゃあ今までゴルフ後の飲酒運転ってそんなにいたのぉーと、疑いたくなってしまいますが…。やはりゴルフ後は素早く家に帰って飲むビールが一番良いのかも。130万円のビールはさぞかし苦かったのでしょうね。