全国青年印刷人協議会開催
 全印工連全国青年印刷人協議会が、10月19日午後1時30分から大阪市都島区の太閤園で、全国から青年印刷人120余名が出席し開催された。北海道からは4人の青年印刷人が出席した。

 協議会は、開会宣言、印刷産業人綱領唱和の後、鈴木議長が挨拶、「本年度は企業の生き残り戦略として“社員満足度”をテーマに掲げ、社員のスキルアップが会社の業績アップに繋がる大きな要因であるという視点から、自社を見つめ、社員のモチベーションを高め、会社を活性化させるものは何か、そのために経営者に必要な条件とは何かについて、全国の青年印刷人がともに考えていきたい」と参加者に呼びかけた。
 続いて、社団法人日本産業訓練協会研修指導部講師の山内尚賢氏から「従業員の満足感を高める経営管理の推進」と題し講演が行われた。従業員のやる気を起こさせる要因が重要で、そのためには自由裁量の余地のある創意工夫の幅を持たせた権限を委任する。そうすることによって、各々が主体性を持ち自己責任において目標へ挑戦できる。そういった環境づくりが社員の職務の充実感、または達成感につながり、結果として会社の業績アップに繋がるという事をいろいろな実体験などを織り交ぜながら講演を行った。
 その後、講演の内容を踏まえ全体会議となり、テーブルディスカッションの後、代表者が意見発表をするという形式で行われた。始めに自己紹介を兼ね、それぞれの会社の「社員満足度」への取り組みを発表した。社員のやる気を起こさせるという点では、仙台の会社は、毎年会長と社長が独断でその年のMVP(社長賞)を決め、社員全員を集めた食事会に受賞者の家族を招きその前で表彰している。そうすることにより、受賞者は誇りを持つだろうし、受賞できなかったものが今度は自分がという励みにもなる。名古屋の外注請負印刷専門の会社は、年俸が1,000万円を超える社員を出した。朝6時30分には70%の社員が自主的に出勤している。早くから年功序列を撤廃し、能力給の比率を高めた結果だと思う。社員一丸となりコストを下げ、利益を追求した結果、頑張った社員にそれを還元している。厳しい話しでは東京の会社が、社員に危機感を持ってもらうという点で、リストラの際、社員全員で解雇する人間を選ばせた。もちろん最後通告は社長自らが行うのだが、そのプロセスには脅かされた。
 参加各社の規模、従業員数、仕事の内容は様々であったが、それぞれの会社で自分の会社に合った独自の方法でいろいろ工夫しながら社員満足度を高める努力が行われていた。「社員満足度」は、なかなかこうすればよいという結果が出るようなテーマではないが、全国各地の参加者の意見を聞くことができ、また、ディスカッションができたことは、今後会社の経営をしていく上で非常に有意義であり、とても参考になった協議会であった。
(北海道印刷工業組合青年部会長 村本 剛)

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