‘08北海道情報・印刷産業展が盛大に開催
61社172小間が出展、来場者6,900人
 北海道印刷工業組合と関連6団体で構成する北海道情報・印刷産業展実行委員会が主催する'08北海道情報・印刷産業展が9月4日から6日までの3日間、札幌市白石区のアクセスサッポロで61社172小間の出展で盛大に開催され、設備導入、情報交換の場としてユーザーはじめ関係者から高い評価を得て、会期中6,900人の来場者で賑わった。
 また、4日と5日に開催した4つの公式セミナーは、満員の盛況であった。

 '08北海道情報・印刷産業展は、北海道印刷工業組合、北海道グラフィックコミュニケーショズ工業組合、北海道製本工業組合、北海道フォーム印刷工業会、日本グラフィックサービス工業会北海道支部、北海道紙器段ボール箱工業組合、北海道印刷機材販売業者懇話会の7団体で構成する北海道情報・印刷産業展実行委員会の主催、経済産業省北海道経済産業局、北海道、札幌市の後援を得て、9月4日から6日までの3日間、札幌市白石区のアクセスサッポロを会場に開催され、会期中6,900人の来場者で賑わった。
 同展は、21世紀の情報化時代を見据えて、IT時代に対応するために開催され、北海道の印刷関連業者に的確な情報を提供するため、プリプレス、プレス、ポストプレスに加えて各種ソリューションまでの全工程にわたる最新機材が出展された。
 プリプレスでは各種DTP編集支援ソフト、ワークフローやCTP関連製品、印刷機関係では菊半栽4色機、製本関係では折機や丁合機などが展示された。
 展示会初日の4日午前9時30分から、来賓・出展者などが出席して開会式が開催された。
 最初、岡部康彦実行委員会会長(北海道印刷工業組合理事長)が、来賓に対して臨席のお礼、機器・資材メーカーならびに北海道印刷機材販売業者懇話会会員に対して出展と協力のお礼をそれぞれ述べた後、「印刷産業を取り巻く環境は国際化、高度情報化、少子高齢化、成熟化という4つの潮流の影響を受け大きく変化してきた。今までの印刷物製造というハードビジネスに加え、情報化というワンストップサービスでのソフトビジネスを取り入れた新しい形の情報価値創造産業へと変容していかなければならない。そのためには最新の技術、情報を取り入れて、これからの自社のビジネスモデルを創造する上でこの情報・印刷産業展が重要な役割を果たすとともに素晴らしい意義を与えてくれるものと自負している。公式セミナーでは望まれる印刷企業になるために4つの新たな情報発信を行う。全道の仲間に声をかけて3日間で6,000人の来場を予定している」とあいさつを述べた。
 次に、来賓紹介が行われた後、3人の来賓から祝辞が述べられた。
 山本経済産業省北海道経済産業局長(牧内勝哉地域経済部長代読)は、「この情報・印刷産業展は最新の機械を展示し、最新のサービスを提供し、この北海道の業界がその機械を使いこなして新しい事業、サービスを作っていくという趣旨と道内の若手の人々に新しい技術を取り入れてもらうという趣旨から毎年開催され、今年で16回目にあたると伺っている。情報機器が大変進み、我々のビジネスや暮らしも情報化されて変わっていく中でこういう機会を北海道の場で行うということは大変意義深いものであると考えている。印刷産業の統計を見ると産業規模自体は若干縮小傾向にある。一方で印刷関係の会社や機器の進歩は非常に大きなものがある。今まで行われていたデザインの部分や製版の部分、情報提供の部分、これにデジタル化した部分を含めると今までとは比較にならないくらい大変大きな産業になっている。如何に印刷産業がそういうところに乗り出していくかが大きな課題であり、そういった方向で既にビジネスプランを立てているのではないかと思っているし、そういった活動を期待している。私ども経済産業省としてはデジタル化、情報化の動きを加速するとともに昨今では資源高、原油高で経済的に影響があるということで、大きな動きに素早く対応していき経営に困らないような対策を幾つか講じている。セーフティーネット保証で中小企業の債務保証を受ける枠組みを拡大し、下請け関係の法律を厳格に適応して下請けの代金支払いが滞らないようにということを行ってきた。総合経済対策を組み、安全・安心ということをキーに原油高、資源高でも安心・安全に経営が出来るという環境整備をすることを行ってきた。北海道経済産業局としては昨年度から農商工連携の施策を展開している。北海道の魅力ある地域の産品を北海道で加工して全国、世界に発信していくことを目指している。印刷産業も現地に密着した産業形態を持っており、付加価値を高めて大きなビジネスに繋げていく性格を持っていると思う。また、農商工連携の中でも商と工の役割を印刷産業が持っていると思う。こういった新しいビジネスにコンテンツとネットワークを結びつけて新しいビジネスを開いていくことを現在の施策の中でも大きく支援し、期待している。この展示会が印刷産業、関連する産業の方々の新しいアイディアを生むようなきっかけになって地元の経済、日本経済が世界にはばたくことが展開できるよう祈念する」と述べた。
 高橋北海道知事(野原直彦産業振興課参事代読)は、「我が国経済は長きにわたる回復拡大から最近になって後退局面に入ったところである。こうした中、北海道経済は全国同様であるが特に原油価格の高騰、原材料価格の高騰に大きな影響を受けており、厳しい経済状況がなお一層厳しくなっている。北海道経済の活性化を図るため道としては昨年末に22年までの経済産業振興の重点的な方針を定めた経済活性化戦略ビジョンを策定し、これに基づいて北海道において比較的優位にある食、観光をはじめこれからも成長が期待されるバイオ、IT産業、そして経済波及効果の高い自動車産業、電機・電子産業という、ものづくり産業の振興に重点的に取り組んでいく。特に今年度は昨年末に制定した北海道産業振興条例に基づいて優れたビジネスプランを有する地場企業の研究開発、新技術、新製品開発、販路拡大といった取組みに対して支援し、北海道の地場企業の競争力強化を応援していく。印刷業界を取り巻く環境は原油高に伴う印刷用紙の値上げなど生産コストの上昇や印刷技術のデジタル化、高度化に伴う新たな設備投資、受注競争激化に伴う収益の低下、古紙偽装に伴う印刷用紙の確保など多くの課題を抱えており、依然として厳しい状況にあると承知している。このような中で印刷機械や周辺機器等の展示、セミナーを内容とした本展示会が開催されることは誠に意義深く、多くの関係者の来場をいただき印刷関連業界の皆様が最新の知識、技術情報を吸収されることにより経営課題の解決や業態変革実践に引き続き取り組まれ本道印刷業界の活性化の契機としていただけることを期待する」と述べた。
 上田文雄札幌市長(高坂義郎ものづくり支援担当課長代読)は、「道内の印刷業界関係者が一堂に会し、最新のシステム機器などが紹介されるこの展示会は、関係者はもとより市民の方々に対しても皆様の有する高い技術力や製品を伝える絶好の機会である。高度情報化が進み、経営環境の変化が著しい現代において情報産業と製造業を兼備した情報価値創造産業としての発展を標榜され、この北海道情報・印刷産業展を毎年開催され、積極的に情報発信をされていることに対して改めて敬意を表する。札幌市の製造業において印刷業は食料品製造業に次ぐ製造品出荷額を誇り、関連業種も多く、他の産業への波及効果の高い主力産業の一つである。印刷業に携わる皆様には今後とも本市の産業の発展を支える基幹産業の担い手として活躍いただくようお願いする。本市としても印刷産業の重要性に鑑み東京事務所が実施する首都圏ビジネスチャンス拡大支援事業の対象業種に昨年度から印刷業を加えている。この事業ではプレゼンテーションの大会や個別コーディネートの実施により企業規模の大小にかかわらず全国に通用する高い技術、製品を持つ企業や真摯に仕事に取り組み顧客の皆様から高い信頼を得ている企業等の皆様の首都圏でのビジネス展開を支援していく」と述べた。
 つづいて、祝電披露が行われ、テープカットに移り、来賓の牧内勝哉北海道経済産業局地域経済部長、野原直彦北海道経済部商工局産業振興課参事、高坂義郎札幌市経済局産業振興部ものづくり支援担当課長、岡部康彦実行委員会会長、齊藤勝市実行委員長(北海道印刷工業組合副理事長)によりテープカットが行われ開幕した。
 また、同展において「2008優秀印刷作品展」が開催され、第9回北のペーパーデザインコンテスト入選作品が展示された。
 さらに、4日と5日には、望まれる印刷・関連企業になるためにをテーマとして4つの公式セミナーが開催され、満員の盛況であった。

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