全印工連シンポジウム開催
業態変革はエンドレス
 全印工連は、「業態変革推進プラン〜全印工連2008計画」をテーマに9月26日午後1時から東京都千代田区のホテルニューオータニで300人が参加してシンポジウムを開催した。
 シンポジウムは、浅野健全印工連会長、古森重隆富士フイルム(株)社長、水上光啓全印工連業態変革推進企画室委員の3氏から講演が行われた。

 第1部では、浅野健全印工連会長が「業態変革推進プラン〜全印工連2008計画〜レビュー」の演題で講演した。「現在全印工連では、全国に『業態変革』という概念を提唱しているが、あらためてその概念の必要性を話させていただくとともに、これまでの全印工連の取り組みについて話し、後の二方の前座役を勤めさせていただく」と前置きして講演に入り、「お客のために役に立つ企業への変革」という目的のもとでの業態変革の必然性、社会環境変化への対応などについて述べた。
 第二部では富士フイルム(株)の古森重隆社長を講師に迎え、「『第2の創業』に向けた富士フイルムの事業構造転換」をテーマに講演を聴いた。古森社長は「1980年は、イメージング分野ではまさにエポックメイキングな年で、デジタル化の登場である」とし、創業コア事業である写真フィルム需要の減少、医療分野、印刷分野のデジタル化の進展などの変化に対応した。「大変なチャレンジだが、同時にチャンスでもあると捉え、これら変化への対応を『第2の創業』と位置づけ、さまざまな変革を実施また進行している」とした。
 同社の変革推進に当っては、「ケミカルとエレクトロニクスという2つの技を持つ企業はそう多くない」としてこれを生かして取り組んでいることを述べ、構造改革の3つの柱として、(1)今後も写真文化を守り育てていくために抜本的な改革を行う、(2)新たな成長戦略の構築(ダイナミックな設備投資、グラフィックシステム事業の拡大、M&Aなど)、(3)連結運営の強化、をあげ、富士フイルムの持続的な発展に向けてまい進するとした。
 第3部では、全印工連業態変革推進企画室を代表して水上光啓委員が、「業態変革の3つのステージ エンドレスに続けよう」のタイトルでプレゼンテーションを行った。水上氏は「業態変革は難しいという声は多い。たしかに実行は難しいが、まずできることから取り組むことだ。1〜3の各ステージの説明をまずよく読んでいただきたい。そして取り組みは順序どおりの必要はなく、自社の都合で、バラバラでも同時進行でも並行進行でもかまわない」とし、まずは第1ステージ「業態変革ミニマム」、第2ステージ「原点回帰・7Keys」、第3ステージ「ワンストップサービス・5Doors」の趣旨・概要をドイツ、イギリス、アメリカの海外事例を交えながら説明、「魔法の杖はない。ゴールを決めるのは自分であり、実行あるのみ」とさらなる取り組みへの提案を行った。

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