第4回 
『雇用確保措置導入・運用に伴う
労使トラブル防止等』

 これまでに、改正高年齢者雇用安定法による「雇用確保措置」導入義務化等のテーマの研修会で幾度か講師を勤めさせて頂きました。その都度「希望者全員を雇用する制度であると思っていた」という声が聞かれました。このように制度のしくみがわかりにくいため、一部で誤解しているケースも伺えます。そのため実際の導入・運用となりますと労使互いに制度上の理解の不足も加わり思いがけないトラブルに進んでしまうケースもあります。
 そこで前回同様に各事業所での導入が最も多いと言われている継続雇用制度(対象者の選択が可能である「再雇用」)についてその導入・運用に伴う労使トラブル防止のポイントを整理してみました。
〜高年齢再雇用者との労使トラブルを発生させないために〜
(1)  再雇用制度のしくみを十分に説明し理解してもらう
 再雇用制度では、60歳定年は従来どおりに行われること。そして、これまでの雇用契約を
一旦終了させて、改めて雇用条件を見直し契約するという仕組を理解してもらいます。
(2)  60歳以降の再雇用について、以下の処遇等を事前に検討する
 1, 再雇用後の職務内容及び労働時間をどうするのか
   現在の仕事を担っていくのか、後継者の育成を主な業務とするのか、新たな職務に
  就いてもらうのか、また管理職であった者の職務などを個別対応とします。
 2, 再雇用後の賃金は、どのように決定するのか
   給与の考え方としては、やはり職務にあった処遇を基本とすべきと思います。
   この他、厚生年金や雇用保険からの給付等の活用を賃金設計で検討する場合は、
  再雇用者の理解と協力が必要であること、その説明を忘れずに行います。
(3)  新たな労働契約の締結が必要です
 たとえ嘱託という立場になるだけであっても、労働条件を変更するため、雇用契約内容を
書面で明示し、交付する必要があります。
以下は、【書面で必ず明示しなければならない事項】
(1)  契約期間
(2)  就業の場所・従事する業務の内容
(3)  始業・終業時刻、時間外労働の有無、休憩時間・休日・休暇など
(4)  賃金の決定、計算・支払方法。賃金の締切り・支払時期
(5)  退職に関する事項(解雇の事由を含む)
※ この他、トラブル防止のために、昇給、賞与や退職金などについても個別労働契約で
 有無を確認したうえで、雇用契約を締結し、理解を得ておくこと!また、雇用期間の終了
 についても事前通知をしましょう!!
  ◇ 再雇用者となっても「労働者」であることには、変わりありません!
ワンポイント  ◇ 再雇用され嘱託社員となっても、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労災
 保険法、男女雇用機会均等法、パートタイマー労働法などの労働関係法令が適用され
 ます。
 
小松社会保険労務士事務所 社会保険労務士 小松勢津子

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