印刷燦燦
故郷を思う

常任理事・札幌副支部長 齊藤 勝市
株式会社誠印刷代表取締役社長

 統一地方選挙が始まりましたが、市町村の首長選の中でも、全国的に最も注目されるのは夕張市長選ではないでしょうか。多数の市長候補そして、地方財政再建促進特別措置法制度後、初の財政再建団体に指定されたからです。
 夕張市は“石炭の町”で全盛時の昭和35年ころの人口は10万8,000人となり、その後、国のエネルギー政策転換の一環で、平成2年に最後の炭鉱閉山となったのです。今の人口は1万3,000人弱程度となっているようです。このような人口構成にて今後18年間で約353億円の赤字を返済しようとする計画のようですから大変なことです。財政再建は市民生活に直接大きな影響があるだけに市民の不安感を思うと人ごとではないような気がします。
 「ふるさとは遠きにありきて思うもの‥‥」といいますが、私の故郷も夕張と同じく石炭とともに歩みつづけた“炭鉱の町”空知の上砂川です。札幌から90kmほどのところですが、今や街も活気がなく寂しい、何とも言えない感じがします。
 上砂川町の始まりは明治32年福井県の移住民らにより開拓され、大正3年三井鉱山合名会社が本格的な採炭開始、大正7年には上砂川〜砂川間に鉄道が開通、両大戦の影響により石炭増産で大発展を遂げ、昭和24年砂川町と歌志内町(現在は両町とも市です)の分割で「上砂川町」が誕生したのです。後には4万人前後までの人口増大となり、一時期は市へ昇格するのではないかと町民に気運が高まったときがありました。そして昭和37年から国の石炭政策の変更から三井砂川の炭鉱も相次ぐ合理化を進める中で、ついに昭和62年7月に道内の炭鉱で第1号の閉山となったわけです。
 その後、炭鉱の旧堅坑を利用して世界最大規模の「地下無重力実験センター」などを開設しました。しかし、今ではセンターも閉鎖され、その跡地に関連する新産業の企業誘致を推進していましたが、道内経済の厳しい環境の中での取り組みだけに伸び悩み、混迷を打開する道がないような気がします。現在の人口は4,478人(平成19年2月現在)だそうです。
 ふと、思うことがあります。故郷を離れて何年になるだろう!生まれて育った町が再び元気で活気にあふれることを願って止みません。

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