印刷燦燦
北海道の四季

常任理事・札幌副支部長 松本 直子
興翔印刷株式会社 代表取締役

 私は、札幌で生まれて札幌で育ち、北海道の春夏秋冬を自然に囲まれた程よい都会で楽しんできました。雪解けから覗く草花の芽がうれしい春、短いけれど程よい暑さが楽しめる夏、紅葉が夏の疲れを癒す秋、白い粉雪がロマンチックな冬と、はっきりとした四季の移り変わりは最高の気分転換になっています。
 広い北海道の各地には、素晴らしい観光名所や時間を忘れてしまう穏やかな自然がたくさんあり、海や山で採れる食材は美味しいものばかりです。道外、海外にも素晴らしいところはありますが、最近は改めてこの北海道の良さを見つめ直したいと思うようになりました。
 今、季節は冬。これから本格的な寒さになりますが、北海道の景気もまさに冬です。ここ数年“春よ来い”とじっと我慢をしてきましたが、まだまだ日差しは遠く、気も晴れません。しかし、我慢や待ちの状態で現状が良くなるわけがないことは明らかです。10月に全日本印刷フォーラム2006やまぐち大会に行かせていただき、下関の歴史をつまみながらふぐなどを美味しくいただきました。ですが、正直なところ食に関しては、北海道のほうが美味しいと思いました。自然と食に恵まれた北海道。私たちは恵みを生かす努力が足りないと感じました。なぜ辛子明太子は九州の名物なのか?たらこは北海道のものなのに、九州で付加価値が付けられ、有名になっているではありませんか。
 また、先日、東京から来られた方が“函館の朝市にはがっかりした、値段は高いし美味しいとは思わなかった。街も活気がなくまた行きたいとは思わない”と言うのです。それを聞いた瞬間、何とも言えない気持ちになりました。景気回復のために努力をしているのだろうか?と思いました。おそらく道外から来られた人々の期待を裏切っているのは、そこだけではないような気がします。主だった産業がない北海道、だから景気回復の要素がないと言う前に、北海道の素晴らしい自然や食材に、気のきいたサービスを添えて、四季折々におもてなしの心で人々を迎えてはどうでしょう。感動で財布の紐が緩んだらしめたものです。
 「北の大地・北海道」-自分たちの努力で活性化したいものです。

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