印刷燦燦
印刷基金の執務から

北海道印刷工業厚生年金基金常務理事 斎藤 嘉人

 厚生年金基金制度は、世の中の経済が右肩上がりのときに、働く人々の退職又は老後に受ける年金が少しでも多く受けられることを目的として、厚生年金保険の適用事業所に働く人々を対象として、昭和42年に制度化され今日にいたっております。
 私が社会保険に携わっていた縁で、当基金の事務をさせていただいてから早くも10年が経ちました。勤務に就いた当時、社会経済に多少の陰りが見えはじめたときでしたが、印刷業界で働く人々の退職後の年金生活を考えるときに、基金制度は掛金に対する税の優遇措置や、給付内容が厚生年金保険のみに加入している人々からみると、3割増という生かされた年金であると考えながら、制度の普及促進に希望を持ちながら業界の方々と接してきました。昭和58年10月に印刷業界が基金制度を立ち上げたときは誰もが明るい将来を描いていたと思いますし、現に退職をし一時金や年金の手続きに来られ、基金加入をしていたことによるメリットについて説明されますと、大変喜ばれているのが現実です。年金への関心は退職が近くなってから初めて自分の年金がどうなっているか関心を持つようになるもので、若いときに自分の老後のことを考えて働いている人は少なく、年金の受給権がつくようになって初めて老後の生活と照らし合わせ、永年働いて掛けてきた大切な財産が生きてくることに気が付くと思いますし、私自身も年金を受けはじめて助けられているのが実感です。
 いま、全国の基金は経済の悪化により設立のときに考えられなかったリスクを負わされ厳しい中で制度設計の見直しをするなど基金継続に向けて努力しております。
当基金も他の基金同様厳しい状況にありますが、設立以来20年を経過したこの間、大手加入事業所等の脱退による加入員の減少が事業運営に大きな痛手となっておりますが、掛金の実質負担増や給付の減額をすることなく事業を進めている数少ない基金と思います。平成12年度から平成14年度の経済市場最悪により多額の不足金を計上しておりますが、平成15年度17%、平成16年度5%台の運用収益の確保、また、平成16年度の厚生年金保険法の改正により基金制度の見直しが行われるなど、徐々にではありますが回復傾向にありますので更なる努力をしてまいります。
 少子高齢化社会といわれる今日、年金を取り巻く案件はあまりにも問題が複雑であり予測しがたいが、年金受給者のもたらす年間の年金総支給額が社会経済を動かしている現状を無視するわけにはいかなく、年金制度のあり方についてまだまだ議論の続くことと思います。

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