印刷燦燦
真のコラボレーション

常任理事・札幌副支部長 川越 仁
川越製袋株式会社代表取締役社長

 コラボレーションなる言葉が流行し出したのは2002年ごろからですが、文字通りに共に働く為には自己犠牲とまでは行かなくても、自分の利益と同等の利益を相手にも考えてあげることが、この言葉の理解を深め、真のコラボレーションが図れるのではないでしょうか。
 われわれの業界の2005計画「共創ネットワーク」を発展させた2008計画「業態変革推進プラン」は、長年にわたって業界の歴史を冷静に厳格に見つめ続けた多くの賢兄諸氏の立案による心の底からの「業界を思う叫び」と受け止め,この計画の実現に向けた努力を、それこそコラボレートに立案・実行していくべきではなかろうか。
 例えば、本年4月から施行される「個人情報保護法案」は印刷業界の必須アイテムとして急速に関心を集めだし、『プライバシーマーク』取得のセミナーがこの冬目白押しの状況だが、これをISO同様に通行手形として認定審査の準備をするなら、極論ではあるが無目的な認定取得となってしまうのではなかろうか。2008計画「業態変革推進プラン」と連動した計画とし、さらに自社の経営戦略と連動したそれをプロモートしたプランとする。これらをなくしてはプランの推進そのものが危ういという形で、『プライバシーマーク』に挑戦し認定獲得に動くなら社員全員のコラボレートも得られるであろうし、認定に要する時間と費用は先行投資として企業運営上不可欠のものと断言できるであろう。
 印刷業界からの情報漏洩が取り上げられたのは、過日日経新聞に掲載された全日空のマイレージ加入者名が封筒不良により一部が抜け落ちた件ぐらいしか知らないが、情報が売買の対象となり損保の保険も発売されている今日、「プライバシーマーク」の取得を金と時間を要する迷惑な話と捉え受身でいてよいのであろうか。内憂外患の苦しい時だが次の世代へ引き継ぐためにも何をなすべきか熟慮し行動しなければならないのではないか。われわれの業界の目指す方向は一体どの方向であろうか?業界といわず、自分の会社の向かうべき方向はどちらであろうか、衆議を尽くして導かれた方向であろうか、今一度再確認してみることが不可欠なのかもしれない。

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