新会長に浅野健氏
全印工連平成16年度通常総会開催
 全日本印刷工業組合連合会は、5月27日午後1時30分から東京都港区のアジュール竹芝で平成16年度通常総会を開催した。役員改選では新会長に浅野健常務理事((株)金羊社社長)を選出した。浅野会長は就任あいさつの中で、「大きな変革期を乗り越えていくためには、自らの意志で自らを変えていくしかない。印刷業と同じく、組合のあり方そのものも変革を求められている。みなさんの力で私を業態変革の推進者にさせてほしい」と力強く抱負を述べた。今後、組織の見直しを進めるとともに、「業態変革推進プラン〜全印工連2008計画〜」の内容を詰め、今秋スタートさせることになる。

 総会は、中村守利会長のあいさつに続いて議事に入った。15年度事業報告・収支決算報告、16年度事業計画案・収支予算案など6つの議案を審議し、すべて原案どおり承認した。
事業計画の基本方針では、「変革期にある印刷業の競争力と優位性の確立をはかるため、業態変革の企画・提案など、外部組織とも連携し、さまざまな研究成果を全国組織を通じて情報発信するなど、スピードと成果ある活動を展開していく」としている。
 そのため、最終年度となる「全印工連2005計画」の完遂に努めるとともに、新たに「業態変革推進プラン〜全印工連2008計画〜」の策定を進め、10月の印刷文化典香川大会でキックオフさせる。
 また、「業態変革」をキーワードに、経営革新・マーケティング対策、人材教育および雇用システムの研究、制度教育内容の見直し、官公需対策の取組みの強化、環境問題への対応などの諸事業を推進する。
 常設委員会は、経営革新・マーケティング、教育・労務、環境、組織、共済事業の5委員会体制となる。財政問題検討特別委員会も設置し、財政基盤の安定と強化策について検討を行っていく。16年度の収支予算額は3億2,438万3千円を計上した。
 役員改選では、平成16・17年度理事・監事候補者名簿に基づいて選考委員会が開かれ、新会長に浅野健氏(東京)を選出した。副会長3名、専務理事1名、常務理事12名の常任役員ほか、顧問・相談役・参与・特別顧問を選出。浅野新会長が就任あいさつを行った。
 来賓祝辞を述べた経済産業省文化情報関連産業課の広実郁郎課長は、3期6年務めた中村会長の労をねぎらってから、「経営環境に明るさが見えてきた今こそ、一層改革を強化すべき。印刷業は厳しい環境に置かれているが、危機を変化へのチャンスと捉えてほしい。浅野新会長のもと、今までのあり方をゼロベースで見直していただき、明るい産業へ転換してほしい」と述べた。
 また、中村前会長は「この6年間自分に何ができたのかを考えると忸怩たるものがあるが、一言で言えば“業界運営のパラダイムシフト”だった。古いものが次々に壊れ、組合の求心的な事業だった構造改善事業も突然なくなった。大いに戸惑ったが、それに代わる事業として2005計画を立ち上げた。執行部も大きく若返り、バイタリティとフレッシュな感覚にあふれている。新しいビジネスのパラダイムへ向けて2008計画を成功させてほしい。」と退任のあいさつを述べた。