年頭あいさつ

 
 年頭にあたって

  北海道印刷工業組合理事長  岸   洋

 
     
 あけましておめでとうございます。
 皆様にはご壮健で新しい年をお迎えのことと存じお慶びを申し上げます。
 昨年中は、組合事業推進に格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年は、年初からアジアを中心にSARSが猛威を振るい観光をはじめとする海外との交流が減少し国内経済全体が沈滞し、秋には十勝沖地震が発生し北海道経済に打撃を与えたのに加え冷害による米の不作と北海道の基幹産業をも激震させた一年でした。
 印刷業界においては、長引く不況の影響を受け、先行きの見えない中で価格破壊の問題がクローズアップされ、経営環境の厳しさとともに業界のモラルが改めて問われた年でありました。
 このように依然として厳しい経営環境にありましたが、皆様のたゆまぬ経営努力により企業の維持・発展が図られ新しい年を迎えられましたことはご同慶に堪えません。
 昨年、北印工組では厳しい経営環境を克服し、変革する時代を乗り越えるため「魅力ある業界づくり」運動を中心に積極的に事業を展開いたしました。中でも、顧客接点を変えなければ印刷会社は生残れないをテーマに行いました「顧客満足度を高める営業活動のススメセミナー」は6支部で開催され300余名にも及ぶ方々が受講をされ、価格にとらわれない真の顧客満足の実践方法を習得されました。また、経営者・幹部社員のための研修会として、3回にわたり、官庁、団体、企業から4人の実務者を講師に招き、それぞれの立場から業界の現状分析、将来展望等の講演が行われ、今後の業界ならびにそれぞれの企業の指標に資することができたものと思っております。
 また、長年の懸案でありました官公需取引について、昨年11月開催の常任理事会におきまして北海道庁への印刷発注における最低制限価格の導入等の要望についてのご承認をいただきましたので、1月開催の理事会におきまして決議をいただき実行する段取りとなっております。加えて、札幌支部に札幌市の印刷発注の電子化についてプロジェクトチームを設け、検討を重ね、昨年10月に札幌市に対して「印刷物電子発注統一仕様書」の提案を行いました。長く閉ざされていました官公需取引に、ここに来て漸く一筋の光明が見えて参りました。
 さらに、組合組織の根幹となる組合員の増強を図るため「組合加入パンフレット」を作製し、全道を挙げて組合加入促進運動に取り組んでおります。
 一方、昨年11月には、財政委員会から2年間にわたる委員会の検討結果の結論として「財政状況の検討結果・賦課金改訂に関する答申書」が出されましたので、これを受け10年振りの賦課金改訂に向け動き出すことになります。健全財政により組合活動を行い、目的を遂行することにより業界発展ひいては企業発展に繋がるものと確信しておりますので、組合員各位の寛容なご理解と絶大なご協力をお願い申し上げます。
 昨年11月の月例経済報告から、それまでの含みのある表現から「景気は持ち直している」とのすっきりとした表現になりしたが、その実感は全くありません。その上、税制改正、年金改革等企業の公的費用負担が一層重くなることが露呈しつつあり、企業経営を行う環境は一段と過酷になることが予測されます。
 反面、プロ野球球団の札幌への本拠地移転という北海道経済にとって前向きと思われる話題もありますので、何とかこれを起爆剤として景気の先行きが明るくなることを期待したいと思います。
 北印工組は、本年も、組織の拡大、広報活動の強化、明日に向かって「魅力ある業界づくり運動」の展開、「印刷の月」行事の取り組み、共済事業への参加促進を事業の柱として、組合員企業各位が21世紀のグローバル化とITに対応し、時代の流れに着実の即応し、事業を拡大し、企業の存続発展のための諸事業を積極的に推進して参ります。
 厳しい、苦しいとばかり言われるあまり、ふと子供の頃カルタに興じていた時分の百人一首の「百敷や古き軒端の忍にも猶あまりある昔なりけり」の歌を想い起こし、昔の景気の良かった時代の印刷業の姿が脳裏をかすめ、今一度と夢を追い掛けたいと想う正月ですが、気を取り直して他力本願ではなく自助努力で前進あるのみと改めて新年に当たっての誓いといたしました。
 最後になりましたが、関係諸官庁、各機関、団体をはじめ関連業界の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、新しい年が皆様にとりまして佳い年になりますことをご祈念申し上げ、年頭のごあいさつといたします。

 

 年 頭 所 感 

  北海道経済産業局長  稲見 雅寿

 
     
 平成16年の新春を迎え、一言ご挨拶申し上げます。
 顧みますと、昨年の北海道経済は、公共工事の減少や個人消費の低迷、厳しい雇用情勢、さらには台風や地震等の自然災害や冷夏による不作等の影響から、全国と比べ景気回復の実感が乏しい状況でした。こうした中、産学官連携のための基盤整備が進み、大型プロジェクトの進展や大学発ベンチャーの創業が相次ぐといった明るい動きが見られるほか、北海道が持つ潜在力を活かした取り組みが各地で進んでおります。このような動きを相互に連携させながら強力に支援し、企業、大学、研究機関、自治体等と協力体制を構築しながら、効果的な施策展開を行っていくこととしております。
 具体的には、第1は、産学官連携の推進を通じた「北海道スーパー・クラスター振興戦略」と「北海道グリーンビジネス振興プログラム」の展開であります。
 平成13年4月にスタートさせた「北海道スーパークラスター振興戦略」については、「IT」「バイオ」それぞれのフォーラムを核に、更なる発展を目指しネットワークの一層の拡大・充実と産学官一体となった支援の拡充に向け、積極的な取り組みを行って参ります。
 また、昨年6月に策定した「北海道グリーンビジネス振興プログラム戦略目標と行動計画」については、策定した目標とその達成に向け、分野トップ企業の創出、ネットワークの構築等の取り組みを実施して参ります。
 第2は、地域産業のレベルアップに向けた取り組みの展開であります。
 新産業の創出と並び、地域経済を支える産業の強化が必要です。北海道の特性、優位性を最大限に活かした「ものづくり」「地域ブランド」「観光ベンチャー」の3つのテーマに焦点を当てた重点プログラムの策定、推進を通じ、地域産業の再構築や地域における雇用の増加、地域経済の活性化に向けた取り組みを行って参ります。
 第3は、中小・ベンチャー企業への積極的な支援であります。
 日本経済の屋台骨を支える中小企業が持ち前の機動性、柔軟性を存分に発揮し、経済活性化と雇用創出の原動力となっていただくため、中小企業に対する円滑な資金供給の確保、創業や新事業、新分野へ挑戦する中小企業の発展・育成、「中小企業再生支援協議会」を軸とした産業再生等中小企業施策の着実な実施に万全を期して参ります。
 第4は、地域の自発的な取り組みに対する支援であります。
 地域に密着して地域経済の実態を把握するとともに、新事業創出などに意欲的に取り組んでいる地域の企業に対しては、課題解決のため当局職員が御用聞きとして直接訪問し、コーディネート活動に努めて参ります。
 また、中心市街地活性化等地域の街づくりに対しても積極的に支援して参ります。
 第5は、エネルギー、環境問題への対応であります。
 北海道の持続的な発展のため、経済活動の基礎となるエネルギーの安定供給の確保とともに、日常の生活や事業活動に深く関わる環境問題へ適切に対応して参ります。
 厳しい経済環境の中、官民が総力を挙げた取り組みが求められております。道内各地の皆様とお話をする機会を与えていただき、北海道にも多くの元気な方々が各地域でご活躍されていることに大きな期待を抱いております。この困難を乗り越えていくため、皆様と手を携えて、総力を尽くして行動して参る所存ですので、一層のご理解とご協力を賜りたく、よろしくお願いいたします。

 
 年 頭 所 感 

  北海道知事  高橋はるみ

 
     
 道民の皆さん、新年あけましておめでとうございます。
 平成16年の新春を皆さんとともに迎えることができましたことを大変うれしく思います。
 私にとりましては、知事としての初めての新年であり、いま輝かしい初日の出を仰ぎながら、私に課せられた責任の重さに、改めて身の引き締まる思いを感じております。
 私は昨年、道民の皆さんからの暖かいご支援とご声援を賜り知事に就任して以来、希望に満ちた新生北海道を創造するために何が大事かということを常に考えながら、私の持てる全ての力を注いでまいりました。
 この間を振り返ると、本当に激動の年であったと実感しています。過去最悪の失業率に始まり、世界を震撼させたSARSや厳しい財政問題、地方行財政改革の進展、あるいは、台風10号や十勝沖地震といった北海道に深刻なつめ跡を残した災害など、本当に様々な難問・難題に遭遇し、一心不乱に突き進んできたように思います。
 一方で、天皇皇后両陛下の暖かい御心に接することができた行幸啓や知床の世界遺産推薦、また可能性を秘めた北大北キャンパスの特区認定といった明るい話題もありました。
 本当に忙しい毎日ではありましたが、その一つ一つに懸命に取り組んでまいりました。この場をお借りして、様々な形でお力添えを下さった道民の皆さん一人ひとりに、心から感謝を申し上げたいと思います。
 さて、いま我が国は、時代の大きな潮流の中で、一層不透明感が増す「混迷の時代」を迎えており、私たちのふるさと北海道を取り巻く環境も、大変厳しい状況に置かれています。また、今後、国の構造改革が本格化していく中で、将来の北海道や次代を担う子供達のためにも、進めていかなければならない課題も多岐にわたってきております。
 こうした中で、新しい時代に向け、北海道が大きく飛躍していくためには、民間主導の強い経済体質への転換を図り、「地域自立」の視点から、地域主権時代にふさわしい新しい枠組みを構築していくことがたいへん重要であると考えます。
 そのためには、まず何よりも、北海道の未来像を見据えながら、本道経済再建の取り組みを一層加速していかなければなりません。芽生えつつある息吹を大切に育てつつ、既存産業の活性化と新産業の創出に力を注ぎ、北海道の限りない潜在力と可能性を発揮させながら、北海道経済の再生に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。
 そして、同時に、緊急課題である危機的な道財政の立て直しを早急に図り、持続可能な財政構造を構築してまいりたいと考えています。
 時代の大きな転換期を迎えている今、私たちは、新生北海道への力強い一歩を、着実に踏み出していることを強く感じています。その一歩が希望に満ちた未来へと繋がるよう、この北の大地の発展の礎を築いてくださった先人たちの勇気と気概をしっかりと受け継ぎながら、道民の皆さんとの力強い連携と協働のもと、直面する諸課題に果敢に挑戦していきたいと思います。今後とも、格段のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 結びに、皆さまの本年のご健勝・ご多幸をお祈り申し上げ、年頭のごあいさつといたします。

 

 年頭のご挨拶 

  全日本印刷工業組合連合会会長  中村 守利

 
     
 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は、当会の運営につきまして格別のご支援ご協力を賜りましたことに厚くお礼申し上げますとともに、本年もよろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。
 さて、昨年は年央より、株価が上昇傾向に転じ、企業収益の改善や設備投資の増加など、景気は持ち直しているとして、一部に明るい兆しが見えはじめてきたといわれていますが、依然としてデフレが続いており、消費の低迷や雇用・所得環境の悪化、金融の逼迫など、中小企業や地域経済にあってはなお厳しい状況が続いています。
 中小印刷業界にあっても、総需要が減少する中で受注競争が激化し、破壊的な価格競争が進むなど、苦しい経営を強いられた一年でもありました。また、長引く不況から中小企業信用保険法にもとづく特定業種の指定を受け、資金手当の確保をはかるなど、厳しい事態のまま推移いたしました。
 一方で、デジタル化の進展、急進するIT、メディア媒体の多様化、ソフト・サービス化へのシフトなど、経済・社会環境は大きく変化し、それとともに新たな需要もまた創出されつつあります。印刷業においても、情報媒体が多様化し様々なメディアがクロスする中で、在来の印刷業の枠を越え、業態変革も視野に入れた新たな印刷のあり方が今、求められています。
 こうした情勢のもと全印工連では、「2005計画」を主軸に「共創ネットワーク」の輪をさらに広げ、2005計画で掲げた諸事業を引き続き推進していくとともに、昨年来、検討を進めてきた2005計画を進化・発展させた新ビジョンを策定し、印刷・情報産業としてさらなる発展を期してまいります。
 大きな構造変革の渦中にある今こそ、多様化する変化に迅速かつ的確に対応し、情報技術を積極的に活用して競争力を強め、生き残り・勝ち残りに向かって前進する年でありたいと願っています。
 本年もなお厳しい状況が続くと思われますが、皆様のますますのご健勝と企業のご繁栄、そして中小印刷業界の発展を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。