印刷燦燦
「変  化」

副理事長、共済事業委員長
西山 恒夫
大輝印刷株式会社代表取締役社長

 企業の倒産が続いている。太平洋炭鉱は閉山した。企業ブランドは信用に傷を負い、公共事業は先細りである。
 北海道経済は、金融の揺らぎ、伝統産業の衰え、新参企業の苦境、脱・土建の悩み、企業不信に政治不信と続くと北海道は不況の渦の中だ。
 企業はデフレで悩んでいるが、キャノンの御手洗社長は「値下げしても販売数量シェアを伸ばし売り上げの確保を目指す経営と決別し、いかに利益率を保つか、高めるかを第一とする戦略に特化することだ」という。企業は業種を問わず利益の確保に方向転換しはじめた。印刷業界もこの方向でいきたいものだ。
 いま印刷業界は価格競争に悪戦苦闘しているのが現状である。
 経営者が意識を変えて日々進化していることを認識して、変化への対応をしないと生き残れない。全印工連の中村会長が提言する「採算を度外視した、過度な価格競争をしないことを印刷業界の文化にしよう」との理念を進めていきたい。
 道銀と北陸銀行が統合する。いろいろな事情があるが、北海道経済に貢献された両行であり、今後も大いに中小企業のための指導を期待したい。
 プロ野球・日本ハム球団の本拠地を、東京から札幌に2004年に移転が決まった。暗い出来事に心ふさぐことの多かった北海道にとって少しは明るいことである。今後の道民の球団としての期待をこめて応援したい。
 企業経営は社会的な行為であり、どれだけ社会に貢献できるかが企業の責任ではないか。四季の美しさと、厳しさの北海道で、「変化」の時代を実感して前向きにいきたい。