全印工連平成15年度通常総会開催
ポスト2005計画に着手
 全日本印刷工業組合連合会の平成15年度通常総会が、5月28日午後2時から東京都港区のアジュール竹芝で開催され、全県工組出席の下に各上程議案を協議のうえそれぞれ原案通り承認した。また昭和51年5月から27年の長きにわたって専務理事の重職を務めてきた磯野光雄氏がこの日をもって退任、後任に武石三平事務局長を選任した。

 議案審議に先立ち中村会長は「本年の全国大会は東京で開催される。同時に日印産連主催による印刷文化典、また国際機材展であるIGAS2003など印刷業界のビックイベントが今秋予定されている。今年は21世紀になって3年目となる。『石の上にも3年』という言葉の通り、新芽の発芽の年ということで、東京から印刷産業の新しい芽を発信していきたい」とあいさつを述べた。
 この後、今野敦之常務理事(宮城工組理事長)を議長に選任して議事に入り、平成14年度事業・収支決算報告を磯野専務理事が、また15年度事業計画・収支予算について武石事務局長がそれぞれ説明、いずれも原案通り承認した。また役員の補充選任では、八尋弘文常務理事(福岡県)の退任に伴い、後任として古賀健一氏を選任した。
 全印工連の平成15年度事業の概要は次のとおり。
 2005計画では、昨年度スタートさせた7つのセミナーをリニューアルするとともに、新たに顧客のビジネスパートナーとなるためのノウハウを学ぶ4つのセミナーを企画した。これらの研修事業を各工組に提案、開催の支援を行う。
 また、新ビジョン(ポスト2005計画)の研究・策定に着手する。
 経営革新対策では、官公需対策の研究を中心に、入札制度改善への取り組み、権利問題、電子入札制度への対応、さらに、用紙問題をはじめとする資機材対策などを進める。
 マーケティング対策では、マーケティング活動への取り組みを支援するため、新たに企画した「顧客満足度を高める営業活動のススメ」、継続事業となる「情報産業をめざす印刷マーケティング」「IT時代の戦略的営業マンの養成講座」の3セミナーの開催支援を中心に、2005計画の推進を図る。
 教育・技術対策では、XML研修や企画提案力の強化と制作部門との連携など、新企画を含めた5つのセミナーの開催支援、品質保証関連情報の提供、ITを活用した新技術教育の研究などに取り組む。
 労務・環境対策では、環境マネジメントシステムによる経営基盤強化を目的として、インターネットを活用したISO認証取得支援の研究に着手するとともに、多様化する雇用形態、賃金体系の研究などを行う。
 組織・情報対策では、組合員の減少、業際化対応のため加入促進運動を展開し、組織強化を図る。また、ホームページによる情報発信を図り、各工組とのネットワーク化を推進して情報の共有を目指す。
 共済事業では、3カ年計画の最終年度となる共済事業拡大キャンペーンを展開し、「全印工連共済センター」から受託する生命共済のほか、設備共済・災害補償共済の加入拡大に努める。

新専務理事に武石三平氏
武石専務理事
 全印工連は、総会後に第2回理事会を開き、退任した磯野光雄専務理事の後任に、武石三平理事・事務局長を充てる人事を承認した。
 武石氏は、1946年11月22日生まれ。北海道出身。
 70年5月全印工連事務局入局。2001年6月事務局長、02年6月から理事・事務局長。