年頭あいさつ

年頭のご挨拶

全日本印刷工業組合連合会
会 長 中村 守利

 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は、当会の運営につきまして格別のご支援ご協力を賜りましたことに厚く御礼申し上げますとともに、本年もよろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。
 さて、昨年は私ども中小印刷業界にとっては誠に厳しい年でありました。デフレ不況が長期化し需要が減少する中で、破壊的ともいえる価格競争が横行し、健全な企業の存立と業界の発展を危うくするなど、公正で健全な競争環境にむけた業界秩序再構築がまさに急務となりました。また、印刷用紙の一方的な値上げはデフレ下では考えられない事態であり、製紙メーカーや流通のユーザーを無視した経営姿勢は、今後とも厳しく糾弾していかなければなりません。さらにIT対応も待ったなしでありました。電子入札や電子商取引が広く取り入れられるなど、受発注の形態も大きく変わりつつあり、経営資源の乏しい中小企業にとってはまさに悪戦苦闘の1年でありました。それだけに無事に新年を迎えられたことに格別な想いがあるかと思います。
 本年もまた、残念ながら不況下の幕開けとなりました。政府や日銀などは日本再生に向けて様々な政策を講じつつありますが、経済が好転し景気が回復する見通しは依然として不透明であり構造改革による痛みだけが先行しつつありますが、一日も早い活力ある日本経済の再生が待たれるところです。
 一方で経済のソフト・サービス化へのシフト、IT化の進展、規制緩和、空洞化とグローバル化など、経済社会の変化が急激なだけに、印刷ユーザーである産業界にあっては、生き残りをかけた企業の統合や再編が進められ、他方では破綻による市場からの脱落など、市場による選別が進んでいます。印刷業界もまた自ら環境変化に対応し、個性と特徴のある印刷企業として経営計画を確立し、企業を存続させ勝ち残っていくための洞察力と先見性が何より求められています。
 このためにも全日本印刷工業組合連合会では、4年目を迎えた「2005計画」を軸に「共創ネットワーク」の輪をさらに広げ、引き続き2005計画で掲げた諸事業を全力で推進してまいります。経営資源や小規模であるが故のハンディを組合という組織力を通じて克服し、新たな時代に対応した基盤づくりに邁進し、組合員企業と業界の勝ち残りを進めていきたいと念願する次第です。
 本年もなお厳しい状況が続くと思われますが、皆様のますますのご健勝と企業のご繁栄、そして中小印刷業界の発展を祈念申し上げ新年のご挨拶といたします。