年頭あいさつ

年頭にあたって

北海道知事 堀  達也

 新年明けましておめでとうございます。
 輝かしい新春を迎え、皆様のご健康とご繁栄を衷心よりお喜び申し上げます。
 昨年は、景気の低迷が長期化する中で、公共投資や地方交付税の削減といった国の改革の影響も加わり、たいへん厳しい一年となりました。
 道としては、雇用の維持・創出に向けた取り組みを強化するとともに、自立型経済への転換を目指す経済構造改革を推進するため、本道の特性を活かした新たな産業の創造や既存産業の競争力強化に向けた取り組みを重点的に進めてきました。
 今後、不良債権処理の加速化や地方財政改革など国の改革の進展によって、地域への影響が懸念されますが、私としては、「地域の経済と雇用」「暮らしの安全と安心」を最優先課題と位置付け、危機的状況にしっかりと対応しながら、経済構造改革をさらに一段進めるための施策を重点的に推進していかなければならないと考えています。
 とりわけ、ITやバイオについては、事業化を促進する研究開発の推進、基幹的ネットワークの形成、人材の育成といった取り組みを戦略的に押し進めていく必要があります。
 また、雇用の維持・創出を図るため、昨年策定した「雇用創出プラン」を柱に、当面の緊急対策はもとより、新しいワークスタイルの確立や建設業のソフトランディング対策、さらには市町村が実施する広域雇用対策への支援など、地域の実情に即した対策に全力で取り組んでいきたいと思います。
 さらには、昨年、「経済戦略会議」から提言をいただいた「企業再生ファンドの創設」をはじめとする戦略プロジェクトの実現に向けて、スピードと戦略性を重視して取り組んでいきたいと考えています。
 一方で、将来にわたる道民の安全・安心を確保するため、道産ブランドの信頼性を高める安全・安心フードシステムづくりをはじめ、子育て支援や高齢者対策の充実など安心して暮らせる地域づくり、地球温暖化対策や廃棄物対策、協働による地域社会づくりの推進といった取り組みを強め、北海道を安全・安心の一大供給地にしていきたいと思います。
 今年は、市町村合併に向けた動きが加速するものと予想されます。小規模自治体において、将来に対する不安が広がっていますが、私は、十分な議論を尽くした上で、合併に至らない市町村の在り方については、人口規模のみを基準として考えるのではなく、北海道の実状に即し、それぞれの地域が様々な工夫や広域的な連携などによって行政サービスを提供できる、多様な自治の形態があってもよいと考えており、地域重視の視点から、市町村と一層連携を強めながら、しっかりと対応していかなければならないと考えています。
 いま、北海道は試練の時を迎えていますが、私は、これまで進めてきた改革を確信を持って進めることで、必ずや自主・自律の希望の大地として発展していけるものと信じています。
 そのためには、何といっても、北海道が一丸となって知恵を出し、力を合わせていかなければならないと考えており、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 新しい年が皆様にとりまして明るいご多幸の年となりますよう、心からお祈り申し上げ、新年の挨拶といたします。