年頭あいさつ

年 頭 所 感

北海道経済産業局長
稲見 雅寿

 平成15年の新春を迎え、一言ご挨拶申し上げます。
 顧みますと、昨年の北海道経済は、年央以降、一部に持ち直しの動きが見られ、年後半は下げ止まりの動きで推移しました。しかしながら、公共工事の減少など、依然として厳しい状況が続いています。こうした中、産学官連携のための基盤整備が進み、大学発ベンチャーの創業が続くといった明るい動きもあります。このような動きを相互に連携させながら支援し、企業、大学、研究機関、自治体等と協力体制を構築しながら、効果的な施策展開を行っていくこととしております。
 具体的には、第1は、産学官連携の推進を通じた「北海道スーパー・クラスター振興戦略」と「北海道グリーンビジネス振興プログラム」の展開であります。
 一昨年4月にスタートさせた「北海道スーパー・クラスター振興戦略」については、企業連携を促進するため昨年立ち上げた「IT」「バイオ」それぞれのフォーラムを核にビジネス環境の整備を着実に進めるとともに、世界に通用する新事業が展開されるクラスター形成に向けて引き続き、積極的な取り組みを行って参ります。
 また、「環境」に関連する産業を「グリーンビジネス」として着目し、昨年スタートさせた「北海道グリーンビジネス振興プログラム」については、その本格的な展開を行い、分野トップ企業の創出、各種産業のグリーン化支援等を具体的に実施して参ります。
 第2は、中小ベンチャー企業への積極的な支援であります。
 視野の広い創業・新規開業を促す環境整備を行うほか、この2月に予定されている最低資本金規制に関する特例措置などの動きを的確に捉え、新たな事業分野を創造する中小企業を支援することとしております。
 一方、セーフティネット対策にも引き続き万全の対応を図って参ります。
 第3は、地域の自発的取り組みに対する支援であります。
 本年4月には構造改革特別区域法の施行が予定され、当局としても、地方自治体への構造改革特区関連情報の提供と特区導入を目指す自治体へのコンサルティング活動を行うこととしています。
 また、中心市街地活性化等地域の街づくりに対しても積極的に支援して参ります。
 第4は、エネルギー、環境問題への対応であります。
 北海道の持続的な発展のため、経済活動の基礎となるエネルギーの安定供給の確保とともに、日常の生活や事業活動に深く関わる環境問題へ適切に対応して参ります。
 第5は、消費者保護に対する適切な対応であります。
 消費生活用製品等の安全確保、表示の適正化、消費者からの苦情・相談への対応などを適切に実施して参ります。
 縁あって、ふるさとである北海道で仕事をさせていただくこととなりました。これからの当局の進むべき方向は、幸いにして諸先輩のおかげもあり、道標となる灯が見えているようです。これから後は、自分の心の奥にも受け継がれているであろう開拓者精神にもう一度灯をともし、この困難を乗り越えていくため、皆様とともに総力を尽くして行動して参る所存ですので、一層のご理解とご協力を賜りたく、よろしくお願いいたします。