ファミリー・フレンドリー企業
をめざして

 北海道印刷工業組合は、平成13年度から2年間、北海道労働局長(厚生労働省)の認定を受け、「ファミリー・フレンドリー企業」の普及促進を目的に、『育児・介護雇用環境整備事業』を実施しています。
 少子・高齢化の進展の中で、労働者の仕事と家庭とを両立できる環境整備は極めて重要な課題であります。そのため、事業主において、育児・介護等家庭的責任を有する男女労働者が職業生活と家庭生活とのバランスを取りながら働けるように配慮した雇用管理が行われることが必要であります。仕事と家庭とが両立できるさまざまな制度を持ち、家庭的責任に配慮した雇用管理を行う「ファミリー・フレンドリー企業」を目指す必要があります。

ファミリー・フレンドリー企業の事例紹介
 厚生労働省では、育児と介護とが両立できる様々な制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取組みを行っている企業に対してファミリー・フレンドリー企業表彰を行っています。
 平成14年度のファミリー・フレンドリー企業として、札幌市に本社のあるソフト開発の株式会社シーズ・ラボが北海道労働局長賞を受賞しました。
 同社のファミリー・フレンドリー企業としての取組み状況をご紹介します。

株式会社シーズ・ラボ
〔企業概要〕
企業所在地 札幌市北区北7条西6丁目1 北苑ビル
代表者職・氏名 代表取締役社長 山田 二郎
事業内容 ソフトウェア開発・販売
労働者数 110名(うち女性31名)

◆育児休業を取得しやすく復職しやすい環境がある
労働者から妊娠の報告があると、管理部・所属長・本人が面談し、出産、育児休業、仕事と育児との両立について話し合う場があり、育児休業制度の周知及び有効な活用を促進している。過去3年間の出産者に占める育児休業取得割合は100%となっている。
育児休業の職場復帰のためのプログラム基本計画があり、円滑な復職を促進する取り組みに力を入れている。育児休業制度が整備された平成7年4月より現在までの育児休業者の復職率は100%となっている。

◆柔軟な働き方ができる制度がある
エンジニア職については裁量労働制を採用しているが、希望する者について在宅勤務を認めている。小学校低学年児を有する女性労働者が当該制度の活用により仕事と家庭とを両立させ、現在課長職に登用されている。
在宅勤務ができない事務職のために、平成7年4月より子が小学校の就学の始期に達するまでの育児短時間制度を導入、過去3年間については毎年利用者がいる。
平成14年4月より看護休暇制度を導入、既に複数の利用者がいる。

◆両立しやすい企業文化が醸成されている
経営者が仕事と家庭とを両立しやすい社風を心がけているほか労使からなる労働委員会が社内アンケートを実施し、常に労働者の職場環境整備に取り組んでいる。また、管理職女性が職業家庭両立推進者に選任されており、様々な相談に応じている。
元々、時間外労働を発生させないことを前提に職務配分を行っており、労働者全員が仕事も家庭も大事にできる企業文化が醸成されている。

 本事業における今年度の重点目標は、ファミリーフレンドリー企業の概念について事業主の理解を深め、同概念を理解する事業主の割合を100%にすることを目指しております。
 どうか、労働者の職業生活と家庭生活の両立を支援するための施策普及により各企業の労働環境の改善を推進してください。