共創ネットワークの構築を本気で
平成14年度第2回全道委員長会議
 平成14年度第2回全道委員長会議が、9月6日午後1時から札幌市中央区の札幌パークホテルで、全印工連から磯野専務理事、武石事務局長、全道から委員70余名が出席して開催された。
 また、全体会議の中で、札幌銀行頭取の吉野次郎氏を講師に迎え、「最近の金融情勢について」をテーマに経営者研修会を開催し、120余名が熱心に聴講した。
組織・情報委員会
マーケティング委員会
経営革新委員会
教育委員会
労務・環境委員会
共済事業委員会
青年部委員会
理事長集約
全印工連集約

〔全体会議・経営者研修会〕
 全体会議は、最初に岸理事長から「午前中オープンした北海道情報・印刷産業展の開会式でも話したが、東京で開催された合同展は進む技術・創る情報・育む文化、また釧路の北海道印刷業者大会は変わる変えるIT21というスローガンをそれぞれ掲げており、これは印刷業者が自ら変わり、そして情報を作らなければならない今の時代を的確に表現している。北印工組は地域ごとに多くの課題を抱えている。本日の全道委員長会議ではその課題を各委員会ごとに討議していただき、全体の意見として集約し、今後の活動の参考にしたいと考えている。また、経営者研修会も行うので合わせて有効に利用していただきたい」とあいさつが述べられた。
 次に、経営者研修会に移り、札幌銀行頭取の吉野次郎氏から、「最近の金融情勢について」をテーマに講演が行われた。
 吉野頭取は、講演の中で、景気動向や金融再編、不良債権、ペイオフの動き、貸出金利適正化の動きなどを一時間にわたり講演をした。特に金融機関の地域経済への役割を強調するとともに「新しい事業計画、前向きな経営計画を銀行に相談して頂きたい」と要望した。
 つづいて、磯野全印工連専務理事からあいさつが述べられ、業界秩序再構築、モラルの確立、知的財産の問題、機械修理値上げの問題など業界が取り組んでいる課題について提起された。

〔委 員 会〕
 組織・情報、マーケティング、経営革新、教育・技術、労務・環境、共済事業、青年部の7つの委員会に分かれ、(1)事業推進と課題について、(2)意見交換、(3)委員会意見集約、(4)全印工連要望事項集約の討議が1時間10分にわたって行われた。

〔総括会議〕
 各委員会における討議内容や意見・提案などが発表された。

組織・情報委員会
    発表者 辻委員(函館支部)

・組合加入促進の問題が大きなテーマとなった。小樽支部では1社減の予定。札幌支部では勉強会・研修会を積極的に開催し組合員の引き止めに努めている。旭川支部では事業主懇談会を開催し80%の事業主が参加し本音の話し合いをしている。函館支部は現在のところは加入の予定はないが今後積極的に加入促進を図って行く。
・用紙の値上げが新聞報道されているが、各支部委員の会社には今のところはっきりした形での要請は来ていないが、メーカーがはっきり値上げを打ち出しているので今後は確実に値上げが表面化されて来る。
・新規の見積りについては値上げ分を加味することも考えられるが、年契のものは値上げが出きないので、その分を何処で吸収するかが大きな問題である。
・印刷料金の低価格については、見積書を出すのは営業マンであるが最終判断を下しているのは経営者だと思うので、経営者の考え方、モラルが問題ではないか。
・道内でも市町村合併の話が出ており、今のところは具体例はないが、今後、印刷業界にとっても大きな問題となると思われるので、北印工組として情報提供・勉強会を積極的に行ってほしい。

マーケティング委員会
    発表者 西田委員(十勝支部)
・印刷会社の戦略・形態として、一つのビジネスモデルとして十勝支部のソーゴー印刷(株)高原社長から「フリーペーパーによる需要創出戦略」をテーマに話をしてもらった。
・同社発行の「旬」は、1998年8月の創刊で、AB判で毎月発行、発行部数は10万2千部。配付エリアは帯広市とその周辺とし9万7,500部を宅配している。
・十勝には、同社の「旬」、十勝毎日新聞社の「ちゃい」、広告代理店の「フィット」の3紙がある。
・フリーペーパーの配付方法には、宅配、新聞折込み、オフィスへの配付等がある。
・創刊の背景として、若年層の新聞・雑誌離れ、マスメディアから地域メディアへの変化、低予算で発行が可能などがある。
・印刷会社としてフリーペーパー発行の意義は、広告収入、新規開拓、深耕戦略(既存の得意先に深く入り込んで行く)、自社製品PR、情報収集、人材育成等がある。
・今後の展開としては、ターゲットを絞りテーマ別の別冊の発行、単行本の発行、通販事業の着手、会員制によるパソコン・携帯への情報提供等を考えている。
・印刷業界は今のままでは成り行かない。何処に生き残りがあるかを探っていかなければならない。
・そのコアにあるのは、「意志は固く、頭は柔らかく」である。
・ユーザーの視点に立ってユーザーウォンツを探って行くことである。

経営委員会
    発表者 谷川委員(旭川支部)

・官公需に関する全印工連のアンケートで、取り組んでいない17工組の1つに北海道があるので、今後は北海道としても積極的に取り組んでいってほしい。
・ダンピングを続けている会社は自滅する。
・原価計算をしっかりして自社の利益を取っていれば生き残っていける。
・ダンピングをせざるを得ない事情もある。仕事が少ない現状では工賃を安くしてでもこの場をしのいで行く必要がある。しかし、組合員だけはダンピングをしないで仲良くやって行きたい。
・仕事量の減少は止むを得ない。アウトサイダーを含めてまとめて行くのは難しいので自社の努力しかない。自社が強くなるしかない。スリム化したり特化したりして低コストで仕事ができる会社づくりをしてこの場をしのいで行くしかない。
・供給が過剰の印刷業界ではどう考えても方法論は見つからない。
・企業努力でCTP等を導入しコスト削減をして仕事を受けているが、かけたコストの償却を忘れているところがある。償却を考えるとそう安い価格での受注はできない。そこまで考えた経営が必要である。
・ユーザーも厳しくなり、今まで1社取引きであったのが、数社の見積を取り、これより安くするなら取引をするという減量経営になってきた。
・紙の値上げについては、メーカーが大々的に新聞等に発表してもらうと価格維持につながる。
・機械修理について、今までかからなかった経費が請求されるようになってきた。設備共済に加入しているとこの面もクリアできる。
・札幌支部で、組合活動の活力が失われ始めているので共存共栄を図り、大きな仕事を受注しようという動きがある。
・ISO取得が気運が高まってきている。業界の5%が取得すると官公庁において優先発注等の動きがでてくる。

教育委員会
    発表者 久保内委員(函館支部)
・マルチメディア研修会を開催予定であるが詳細は決まっていない。札幌市の電子入札をテーマとすることを検討中である。
・デジタル積算体系セミナーを、6月21日に十勝支部で開催した。今後は、10月22日に旭川支部で2月に札幌支部で開催を計画している。
・マルチメディアセミナーについては、HTMLのバージョンアップ版を開催することで、カリキュラムを検討中である。
・オフセット印刷技能検定は8月に終了し、試験結果は10月に発表される。
・印刷営業研修会を1月〜2月に5日間、札幌で開催する。

労務・環境委員会
    発表者 藤田委員長(釧根支部)
・官公庁のグリーン基準については、現在は再生紙の指定はあるが、インキはあまりないようである。
これも地域格差があり、ISO14001を取得している自治体は先行している。
・今後、ワンプ紙のリサイクルの問題が表面化してくる。
・育児休業・介護休業は、助成金や補助金制度が充実しているが、あまり進んでいないようである。この事業は、北印工組が北海道労働局からの指定を受けての事業でもあるので積極的に取り組んでほしい。
・男女雇用機会均等法や労基法等を含め、労働問題と環境問題の重要問題が輻輳しているが、労働集約型からデジタル・IT型へ脱皮を図らなければならない。

共済事業委員会
     発表者 西山委員長(札幌支部)

・共済事業委員会と共済事業拡大キャンペーン推進会議を同時進行で開催した。
・北海道は、今年度、全印工連から共済事業加入促進の重点地区の指定を受けている。
・拡大キャンペーンとして、生命共済・災害補償共済・設備共済の加入促進を図って行く。
・目標としては、各支部で生命共済3社、災害補償共済・設備共済各1社、札幌支部の場合は、分区毎に生命共済3社、災害補償共済・設備共済各1社ということを決定した。
・北海道の生命共済の加入状況は、全国47工組中47番目である。
・加入促進は、訪問営業を基本としており、各支部の会合に生保・代理者が訪問し説明を行う。
・北海道としては年内を1つの区切りとして加入促進をすすめる。
・経営環境は厳しいが、企業・社員におもいやりのある制度なので、社員福祉の向上のためにも加入を検討してほしい。
・共済事業は、北印工組の唯一の経済事業でもある。

青年部委員会
    発表者 加藤副委員長(札幌支部)
・前回の委員会で、今期中に青年部組織を確立するということで、その後、メール等で情報交換を行い、内規の案を確立した。
・青年印刷人フォーラムを、来年1月24日に、かでる2・7で開催する。この日はフカミヤ・共同印刷機材の展示会が札幌で開催される予定であるので全道から多数の参加をお願いしたい。講師・テーマ等の詳細は決まり次第各組合員企業へ連絡する。
・青年部として将来の夢や希望を語り合える情報交換の場を作って行きたい。
・今日は、全青協北海道ブロック協議会を同時開催し、東京から鈴木直前議長にも出席を頂き、「印刷会社を取り巻く環境の変化を認識し、それに対応できる会社・人間をつくる」をテーマに意見交換をした。
・その中で、「今の日本の社会で元気な会社を見てみると必ず得意先があり、その得意先が望むこと望むであろうことを先取りし、その得意先の利益・得となることを提案・解決するいわゆるソリューションビジネスが、今の社会に対応できる会社」という提言があった。
・11月に全青協の全国大会が東京で開催されるので全国の青年印刷人と交流を図って行きたい。

 各委員会の意見発表に対して、岸北印工組理事長、磯野全印工連専務理事から、それぞれ感想所見が述べられた。

理事長集約
           岸理事長
・我々は受注産業という経緯を辿って来た中で、フリーペーパーの創刊は、プリントズームの中で提唱している正に創る情報という思いを強くした。
・誰にでもできるというものではないが、少なくても何処かの部分で創るお手伝いくらいはできるということを念頭において取り組んで行く必要がある。
・諸資材の値上げ攻勢が始まるという話があったが、これは紙だけに限らずフイルム等の感光材も早々に価格改定が行われる。
・感光材については、容認するわけではないが、CTPが普及し需要が減退している中で、供給責任のコストを吸収するためには価格改訂ということが派生するのかもしれない。
・用紙については、これも容認するわけではないが、自由経済の中での市場原理は理解しなければならないが、選択肢は求めて行く必要がある。
・オンデマンドデリバーと計画発注に対するデリバリーでは価格差があっても良いのではないか。我々も企業努力をして計画発注し、問屋側も計画配送をすることでコストは大幅に下がると思う。
・共創ネットワークは、業界内だけでなく、関連業界も含めて提案する必要がある。
・行政に対して地元発注を要望して行くことが雇用の創出にもつながる。
・ダンピング問題は、我々が1社1社、経営者1人1人、営業マン1人1人が自戒しないと絶対に解決しない。
・全印工連で決議し日印産連へ提起しても、絶対に良い処方箋は出てこない。
・官公庁に対する要望についての適正料金発注については、官公庁が値下げを要請した話は聞いたことがない。価格を下げているのは我々業者である。
・見積書に建築業のように細目を掲げることによって原価意識が出るのではないか。
・社内原価を営業マン1人1人に認識させ、営業マン全員が同一の見積が出せる教育をし、水洩れを防いで行く、しっかりとした経営が必要である。

全印工連集約
               磯野専務理事
・いろいろな問題があるが、最終的には共創ネットワークを本気で取り組んでいかなければ大変なことになる。
・市町村合併の話では、今までに100位の市町村が合併し、今後200位が予定されている。
・官公庁だけでなく我々のユーザーが、再編されてきている中で、我々はどう対応して行くかということになる。
・地域の動きは、地元の新聞等で公表されるので1社で対応することは難しいので、情報を的確につかみ、地域の人達と真剣に議論をして行く必要がある。
・産業構造そのものが変わるので、マーケットは大きく変化する。
・企業の将来については、中小企業ではオーナーと経営者が一緒であるので合併は難しい。提携より方法はないと思う。
・東北でTネットが先週立ち上がった。技術問題を中心に共同認識をもった社員が参加して勉強会を開催して行く研究会である。
・印刷業界には技術問題を含め勉強していかなければならない問題が山積している。
・住民基本台帳の電子化に象徴されるように電子政府が進む中で、消える印刷物と残る印刷物、増える印刷物を見極めた対応が必要になっている。
・来年度、営業マンを対象としたマルチメディアの研修会を開催する計画を立て、現在、カリキュラムを作成中である。