年頭あいさつ

年 頭 所 感

北海道経済産業局長
高橋はるみ

 平成14年の新春を迎え、一言ご挨拶申し上げます。
 顧みますと、昨年の北海道経済は、公共工事が大幅な減少となり、個人消費が低迷するなど厳しい状況が続き、生産活動も低調なまま推移し、雇用情勢も厳しい状況が続いています。こうした中、産学官連携のための基盤が整備され、糖鎖工学に関する大型プロジェクトの進展や、大学発ベンチャーの創業が続くといった明るい話題もありました。これらの動きを相互に連携させながら強力に支援し、これからの北海道の新たなる発展を確実なものにしていくため、当局では、自ら率先して、企業、試験研究機関、自治体等と協力しながら、効果的な施策展開を行っていくこととしております。
 具体的には、第1は、産学官連携の推進と「北海道スーパークラスター振興戦略」の展開であります。
 昨年12月には、尾身科学技術政策担当大臣を迎え「北海道産学官連携サミット」が開催され、道内の大学等研究機関、企業、行政機関のトップが一堂に会し、産学官連携の推進に力を結集することが確認されました。当局としても産学共同研究を全面的に支援して参ります。また当局では、「情報産業クラスター」と「バイオ産業クラスター」の形成を促進しつつ、「世界に通用する企業群を創出」することを目標とする「北海道スーパークラスター振興戦略」を昨年4月に策定し、その実現に向けて積極的な取り組みを行って参ります。北海道では、社会科学系大学が中心となり、地域密着型ベンチャーキャピタルや道内バイオ企業家が、バイオベンチャーの起業・経営等に積極的に関与する産学官連携型ベンチャー創出モデル(北海道モデル)が実現されており、これを積極的に支援し、バイオ産業の振興を図って参ります。
 第2は、中小・ベンチャー企業への積極的な支援であります。
 北海道経済が自立的に発展していくためには、中小、ベンチャー企業が厳しさを克服し、活力ある成長発展を遂げていくことが必要です。
 当局においても、中小企業のニーズに合わせた、きめ細かい支援に努めて参ります。一方、やる気と能力のある中小企業までが破綻に追い込まれるような事態を回避するため、セーフティネット対策にも万全の対応を図って参ります。
 第3は、関係機関と連携した雇用問題への対応であります。
 雇用情勢に関して、北海道は全国に比べてもより厳しい状況に置かれています。引き続き経済情勢・雇用情勢の趨勢に注意を払いながら、関係機関と連携を取りつつ、適切に対応して参ります。
 第4は、地域の自発的取り組みに対する支援であります。
 道内各地において既に産業クラスター研究会が新規事業創出に向け様々な活動を展開しています。当局では、グループ活動に対する補助事業をはじめとした制度を活用しながら可能な支援をして参ります。
 また、地域の街づくりに対しても積極的に支援して参ります。
 第5は、エネルギー、環境問題への対応であります。
 北海道が持続的に発展していくためには、経済活動の基礎となるエネルギーの安定供給の確保とともに、日常の生活や事業活動に深く関わる環境問題へも適切に対応して参ります。
 かつて、北海道は開拓者精神にあふれた希望のフロンティアと言われていました。道民の心の奥に脈々と受け継がれている開拓者精神を今一度前面に出し、この困難を乗り越えていくため、皆様とともに総力を尽くして行動して参る所存ですので、一層のご理解とご協力を賜りたく、よろしくお願いいたします。